2008年9月アーカイブ

月末週は、企業さんの紹介をお休みして、製造業事情や技術資料、展示会・イベントなどを紹介していこうと思います。どうぞよろしくお願いします。


今週は、「ダイジェット講習会レポ&イベント紹介」です。

※ダイジェット講習会に参加された方で、付加情報あればコメントください。
また工具情報については、実際に加工されている方の方が詳しいと思いますので、ご意見あればコメントください。


9月9日 PM6:30〜
「ふじさんめっせ」で工具メーカー「ダイジェット」の講習会がありました。

ふじさんめっせ 」は、富士市に新しく出来たイベント会場です。

5〜60人の講習会だと思ってましたが、かなりたくさん来てました。
2人がけのテーブルが80くらいあって、ほとんど埋まっていたので140〜150人はいたと思います。



「ダイジェット切削工具講習会」
工具メーカー ダイジェット工業株式会社


講習内容
1、被削材の特性と工具選定の基礎知識
2、世界の金型事情と最新の高能率加工


■マシニングの定義と切削条件算出方法の復習をしました

回転数の算出 n = (1000 × Vc) / (π × D)
切削速度 Vc (m/min)
工具直径 D (mm)
回転数 n (min-1)

送り速度の算出 Vf = fz × Z × n
送り速度 Vf (mm/min)
1刃当りの送り量 fz (mm/tooth)
刃数 Z
回転数 n (min-1)

エクセルマクロなどで作っておくと便利ですね。


■工具破損のメカニズムと対策を教えて頂きました
チッピングや溶着など、磨耗にはいろいろな種類があり、刃先の磨耗形態を見極めて、その対策を考えなければならないということでした。
超硬合金の成分とか特性とかの説明がありましたが、正直、あまりよく分かりませんでした。(っていうか、そっち方面弱いし。。。


■世界の金型事情を教えて頂きました

平成17年 国内都道府県別の金型生産額の順位です。
1 愛知県
2 大阪府
3 静岡県
4 神奈川県
5 群馬県
2位以下は、皆、10%ぐらいずつの差なのですが、
愛知は大阪の1.8倍もありダントツの1位でした。
(詳しい情報を知りたい方は、経済産業省の工業統計を見てください)


世界の金型生産額の順位です。
1 日本 38%
2 中国 18%
3 北米 15%

中国はこの5年間で2倍の伸びだそうです。
いずれ日本と並ぶのではないかと言われてました。


欧州・米国・中国の金型事情を簡単にまとめてみました。

(ダイジェット講習会資料より)

○欧州金型事情
【プレス型】 
大荒は高送り。古い門型が多い。仕上げは5軸高速加工機。
【プラ型】
P20系プリハードン鋼。大荒は高送り。仕上げは高速加工。磨きレス。
【ダイキャスト型】
プリハードン鋼(45-55HRC)。高速直彫加工。

○米国金型事情
【プレス型】
大荒は切粉排出性の高い工具。10年物の門型主流。仕上げは高速加工。磨きレス。
【プラ型】
仕上げはダイヤコーティングにて超高速加工。磨きレス。

○中国金型事情
・汎用品の金型は十分できる。精度の高い物、大型、複雑形状は困難。
・プラ型は良くなってる。プレス型、ダイカスト型は不得意。
・日系金型企業から独立した現地企業が育ってきている


どこの国も高送り加工、高速磨きレス加工が主流のようです。

次はフル5軸?


■ダイジェット新製品の紹介です
SKSL形リード溝付き高送りダイマスタ
これはよく考えられた工具です。感心しました。
横型の加工機で深いポケット加工をしたとき、Yマイナス側には切粉が溜まります。
普通の高送り工具だとポケットの壁と工具のシャンクに切粉が挟まり
工具が破損したり、ポケット壁に傷がついたりします。
この新製品は、シャンクに螺旋状の溝が切ってあるので、切粉がその溝を通って排出されるんです。
動画を見ましたが、おもしろいほど切粉が排出されてました。
大物の金型を作製されるところでは、使える工具だと思います。

荒加工用ヘプタミル
7角チップを採用しています。
最大切込み量5mmで一刃当りの送り1mmが可能です。機械剛性が高くないとダメっぽいですが…
使用済チップコーナーが判別できるようにチップに識別番号が表記されています。

頑固一徹
オール超硬差シャンクに7タイプのモジュラーヘッド。
ロング突き出し加工時に威力を発揮します。


■ダイジェットからの提案です(ダイジェット講習会資料より)
コスト削減は、工具の寿命を延ばしても工具費を削減してもごく僅か、生産性向上による加工時間短縮が効果大です。
高能率工具を使用して加工時間を1/2に短縮させ、コストダウンを図りましょう。


高能率工具の能力を最大限に発揮させるためには、加工データの作り方も重要になってくると思います。

切込量はもちろん、切込角度や切込方法、ピック方法。。。など。

考慮しなければならないポイントはたくさんあります。

現場の意見とCAMオペの意見をすり合わせて、最も良い切削条件を見つけることがコストダウンの第一歩だと思います。


10月のイベント

■10/21・22 ビジネスサミット  東京ビッグサイト

ビジネスマッチングの全国版です。
第1回目で紹介しました「ウォーマー株式会社」さんが出展されます。
展示品は、湯たんぽとアロマピアスです。
ちなみに僕もいますので、もし来られる方がいましたら声をかけてください。

入場招待券もまだ何枚かありますので、メイル頂ければ送ります。

■10/30〜11/4 第24回日本国際工作機械見本市 (JIMTOF2008)東京ビッグサイト

10/31に出没予定。。。


他あれば追記していきます。

今週は、静岡県沼津市にある『有限会社 政典金型製作所』さんを紹介します。


昭和53年10月に設立されて以来、30年間、
射出成形金型を作製されています。

従業員数は3名です。


保有設備です。


・マシニングセンター マキノV33 600×400×350
 

10093985136_s.jpg


・ワイヤー放電加工機 マキノU53K 520×370×320

10093985137_s.jpg

 

・NC放電加工機 ソディックMARK-V

10093985139_s.jpg

 

・NC放電加工機 ソディックMARK-X

10093985140_s.jpg

 

・汎用フライス 1台

10093985141_s.jpg

 

・NCフライス機 2台
・ボール盤 1台
・成形研磨機 1台
・アルゴン溶接機 1台

・CADCAM 1台


作製型サイズは、成形サイズで200tまで可能だそうです。
特に箱物や精密ものは得意な分野だそうですが、
レンズ関係も数多くやられており、
「小物の射出成形型なら何でも来い!」という感じでした。
さすがですね!


自動車内外装部品では3Dデータ支給が当たり前ですが、
電装部品や家電部品は2Dデータ支給が多く、
公差を織り込みながらモデリングし、金型を作製されているそうです。
僕も何度か家電部品の2D→3Dをしたことがありますが、
公差を織り込みながらのモデリングは結構大変です。
高いCADCAM技術を持っていなければできないでしょう。


ある箱物の製品図を見せてもらいましたが、
これまた厄介な形状で、
直壁深いわぁ、スライド・傾斜多いわぁ、公差厳しいわぁ、で
ちょっと目を背けたくなるような難しそうな金型でした。
モデリングも多分、大変。
他の小物部品も見せてもらいましたが、
これも公差が厳しいものでした。
守秘義務があるので画像等は載せられませんが、
かなり難しい複雑な金型を作製されています。


話の途中で分かったのですが、社長さんは僕の出身高校の先輩でした。
(先輩といっても僕の方が随分と下ですが)
しかも同じ学科。
不思議なご縁です。
益々、応援したくなりました!


今後は、レンズ関係をもっと伸ばしていきたいということです。
もちろん技術の方も今以上に磨き、高精度・短納期の金型作りを目指していくそうです。
終わり際、社長さんは「技術・設備・信用はここら辺では負けない!」と仰られてました。
多くの難しい金型を経験してきたからこそ言える力強いお言葉だと思います。
政典金型さんの更なる技術発展を願っております。


今回、紹介致しました政典金型さんの技術にご興味のある方は、
直接、お問い合わせ頂くか、
もしくは僕の方へご連絡頂ければ、ご紹介を致します。
どうぞお気軽にご連絡ください。


有限会社 政典金型製作所

〒410-0836 静岡県沼津市吉田町14-6

代表:芹澤政雄

TEL 055-932-6035

FAX 055-932-6037

HP:http://www.seiten-ss.co.jp/


最後に、
政典金型さん、お忙しい中、貴重なお時間を頂きまして誠にありがとうございました。
いろいろなお話を聞かせて頂き、大変勉強になりました。
また、お伺いさせて頂きますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。
一緒に元気な日本を作っていきましょー!

『杉山金型』

user-pic
0

今週は、静岡県富士市にある『杉山金型』さんを紹介します。


昭和57年8月創立以来、26年間、
射出成形の金型を作製されています。


従業員数は5名で、皆、職人さんと言った感じです。
保有設備は、かなりたくさんありましたよ。


主力設備マシニングセンター
・大隈豊和 MILAK-561V-5軸仕様(1000×520×560)
 

10091476317.jpg


・大隈豊和 MILAK-761V-3軸仕様(1540×760×660)

10091476515.jpg



・山崎マザック AJV32-405(1000×700×460)

10091476519.jpg

 

ワイヤーカット機の可動範囲は、700×400×400 と大きいです。
・シャルミーのROBOFIL 510

10091476517.jpg



・汎用放電機日立H-DS-10N

10091476666.jpg



・NC放電機三菱M-65E(600×400)

10091476516.jpg



・NC放電機三菱M-35K(300×200)

10091476775.jpg



・旋盤

10091476654.jpg



型合わせには不可欠な

・ダイスポ

10091476663.jpg



・ラム型フライス4台

10091476661.jpg



・平面研削盤4台

10091476659.jpg



・NC彫刻機1台
・ラジアルボール盤1台
・レーザースキャン2台
・CAD4台
・CAM4台


作製可能な型サイズは、1000×500 くらい、
成形サイズで言えば、300tくらいまでだそうです。


杉山金型さんで、主に手掛けているものは、
自動車のシフトノブの金型です。
守秘義務があるので、残念ながら画像は載せられませんが、

シフトノブの金型はめちゃくちゃ難しいです。
スライドと入れ子のパズルです。
普通の成形部品ならパッと見で、スライドや入れ子をイメージすることができますが、この製品は全く分かりませんでした。
型設計できる人もなかなかいないそうです。
なので、社長さんが忙しい中、時間を割いて設計しているそうです。
もしシフトノブの型設計ができる方がいましたら、是非、ご連絡をお願い致します。


杉山金型さんの凄いところは、もう一つあります。
それは、壊れそうな金型部品のスペアを作っておくことです。
量産中に何らかの原因で壊れてしまっても、すぐに修正し、量産計画の遅れを最小限に抑えることができます。
お客様の立場に立って常に経営されているということですね。
さすがです。
シフトノブの他にも、射出成形型でしたら大概のものは作製可能だそうです。


最近は、レーザースキャンにも力を入れているそうです。
手加工などで修正された成形品をレーザースキャン、CADデータ化し、現行金型に反映させるという技術です。
レーザースキャンは、ROLANDのPICZAとMercuryJがあります。

・MercuryJ

10091476778.jpg



・PICZA
 

10091476780.jpg


スキャン精度は、0.05mmと高いです。
軽いものはPICZA、重いものはMercuryJと使い分けているそうです。
レーザースキャンは、型修正以外でもいろいろと使い道はあると思いますし、金型屋さんではあまり導入しているところはないと思うので、これからの杉山金型さんの技術発展に期待しています。


今回、紹介致しました杉山金型さんの技術に興味のある方は、

直接、お問い合わせ頂くか、
もしくは僕の方へご連絡頂ければ、ご紹介を致します。
どうぞお気軽にご連絡ください。


杉山金型
代表:杉山一昭
〒417-0815 富士市増川字蒲原75-1
TEL 0545-38-2163

FAX 0545-38-3812


最後に、
杉山金型さん、お忙しい中、貴重なお時間を頂きまして誠にありがとうございました。
いろいろなお話を聞かせて頂き、大変勉強になりました。
また、お伺いさせて頂きますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。
一緒に元気な日本を作っていきましょー!

記念すべき第1回目は、
静岡県沼津市にある『ウォーマー株式会社』さんを紹介します。


創立は2004年4月。まだ若い会社です。
従業員数は、10名。
取扱業務は、製缶/射出成形型製作/検査治具・加工治具製作です。
自社の技術を用いて、自社製品も作られています。
工場は2棟ありまして、製缶工場と金型・治具製作工場に分かれています。


製缶工場の方を紹介します。
製缶を担当している従業員の方は、6名です。

従業員の方は、皆若くて元気があります。

僕が行くと、大きな声で「ちわーっす!」と挨拶してくれました。

気持ちいいですね。
保有設備は以下の通りです。

・半自動溶接機500W 2台
・半自動溶接機350W 3台
・アルゴン溶接機 2台


4m四方程度のものは、普通に製作できるそうです。
この大きさのものを精度良く、組み立て溶接するんですって。
すごいですね。僕には想像もできません。

工場などへ出張して、設備のメンテナンスもやっているそうです。

工場内に2階建て事務所があったんですが、これも自分たちで作ったんだそうです。

※写真撮り忘れました。次回行った時に撮ってきます。


金型・治具工場を紹介します。
金型・治具を担当している従業員の方は、4名です。
受注可能な型サイズは、フロントバンパークラスだそうです。
すごいですね。

このサイズが可能なら、ほとんどの型は作れるでしょう。
バンパーの金型は、立ちが深いので加工するのに非常に苦労します。
5軸加工が必要だったり、巨大な可動駒があったりと、高い技術が必要な金型です。


中国や韓国の金型屋とも繋がりがあるそうです。

ネットワークが広いですね。
保有設備は以下の通りです。

・マシニング NIIGATA 800×450×450

10090190815.jpg



・マシニング OKK 1800×750×750
 

10090190857.jpg


・放電機 1台
・ワイヤーカット機 1台
・ラジアルボール盤 1台

・フライス 1台

10090194712.jpg



・旋盤 1台
 

10090194872.jpg


現在は、海外で作製された金型の修繕で忙しいようです。

型の修正は、CADデータが無かったり、CADデータ通りに出来ていなかったりで結構大変です。

ほとんど現物合わせになるのですが、そこで職人さんの登場です。

ウォーマーさんにも職人さんがいますが、これがまたホント、かっこいい!

言葉少ないんですが、こう何かオーラを感じます。(表現下手です。許してください)

こういう職人さんたちが現場を製造業を支えているんですね。


ウォーマーさんは、お客様が困っていることは何とかして助けたいという思いで、常にパワー全開で仕事をされています。

24時間体制。
キャッチフレーズは、「金型病院」「金型のコンビニエンス」だそうです。
面白すぎです!


検査治具は、主にプレス部品用のものを作製されています。
樹脂製の簡易検具から鉄製の量産検具までオールマイティーに作製されています。

僕が行ったときも、樹脂検具を機械加工しながら、量産検具を組み立てていました。
その他に穴開け加工治具なども作製されているようです。

大きさの制限は特に無いそうですが、マシンニングに乗せられる範囲かな、と言われていました。

テーブルが1800×750なので、相当大きいものまで作製できますね。


ウォーマーさんは金型が作れるので、自社製品を作ることも可能なんです。
今はちょっと時期が外れていますが、電子レンジ湯たんぽを作製、販売されています。
暖かさが長時間持続するということで、たくさんの方からご好評を頂いているそうです。
インターネットから購入することが出来ますので、今年の冬は是非お試しになってみてはいかがでしょうか。
他にも、こちらも自社製品ですが、AROMAピアスといった面白いものも販売されています。
詳しくは、こちらのページで。

http://www.warmer.co.jp/


今後は、「何でも作れる会社」を目指して頑張っているそうです。
ウォーマーさんの更なる発展を願っております。


今回、紹介しましたウォーマーさんの技術にご興味のある方は、
直接、お問い合わせ頂くか、
もしくは僕の方へご連絡頂ければ、ご紹介を致します。
どうぞお気軽にご連絡ください。


ウォーマー株式会社

代表 : 佐野 芳史

静岡県沼津市小諏訪44-2

055-923-5111


最後に、
ウォーマーさん、お忙しい中、貴重なお時間を頂きまして誠にありがとうございました。
いろいろなお話を聞かせて頂き、大変勉強になりました。
また、お伺いさせて頂きますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。
一緒に元気な日本を作っていきましょー!

自己紹介(yamag)

user-pic
0

この「製造業応援ブログ」の管理人yamag(やまじ)の自己紹介をします。


僕は、静岡県富士市在住、何よりもトイレで本を読むことが好きな山本と申します。

同市にある?ジーズ・フィールド という会社で、金型のCADCAMデータ作成の仕事をしています。

使用しているCADCAMソフトは、Space-E で、射出成形型がメインです。

最近では、検具やプレス型の仕事も増えてきました。


CADCAM歴は、今年で18年になります。

共に戦っている仲間も、同じだけのCADCAM歴があります。

製造業のこの厳しい環境の中、今までのやり方には囚われずに、どうしたら早くきれいに加工できるかを常に考えながらデータを作成しています。

当たり前かw


僕は、二十歳の時にこの業界に入りました。

最初の数年は、木型(モデル)屋さんで、CADCAMをはじめ、樹脂モデルや石膏モデル、検具、バイクや車の1/1モデルなどの製作を経験させてもらいました。

その後、金型製造メーカーに移り、金型や金属加工を学ばせて頂きました。

現在は、その経験を活かし、金型屋さんや部品加工屋さんに加工データを供給しています。


まだインターネットがそんなに普及していない頃を懐かしく思います。

データ授受は大きなテープやカセットを宅配便でやり取りしたり、CADデータ承認はデータを客先へ持って行って見てもらったり、それだけで1〜2日掛かってましたからね。今では考えられないですね。

携帯電話も普及していなかったから、加工中に問題が起こっても担当者が会社に戻ってくるまで加工機が止まってたりなんて事もありましたね。

今は、どこにいても瞬時に繋がるし、データも送れるし、便利になりました。

便利になった分、金型納期や単価も楽になる方向に行くと思いきや、逆に首を絞める方向に行ってる気がします。

今思えば、樹脂モデルを削っていた頃が一番楽しかったように思います。

あぁ、あの頃に、戻りたい・・・

だれか、洗濯機型タイムマシン作って・・・


そんな昔のことを思い出しながら、現状の厳しい金型業界をうまく息を抜きながら生き抜いて行きたいと思っている変なやつです。

どうぞよろしくお願いします。

RSS

Copyright © 2008-2013製造業応援ブログ