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『株式会社樹研工業』前半【彦】

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今年最初の記事は、年始特番としてライター彦さんによる企業紹介をお送りいたします。


こんにちは、彦です。

今年もよろしくお願い致します。


今回と次回は、微細部品で有名な『(株)樹研工業』を紹介します。

テレビや雑誌など、メディアにもしばしば取り上げられるので社名をご存知の方も多いと思います。

今回は前半として同社の"看板商品"のひとつである精密歯車を、次回は後半として、品質保証体制と新たに取り組んでいるナノ加工、社員教育について紹介いたします。


 

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株式会社樹研工業

〒441-8003 愛知県豊橋市小向町字北小向140-1

TEL 0532-31-2061

URL http://www.juken.com/


・百万分の1gへの挑戦

1965年の創業以来,極小サイズの精密プラスチック部品の専門メーカとして "小さな部品を正確に作る"ことにトコトンこだわってきた豊橋市の樹研工業。従業員は70人。

グループの総売上げは約30億円の同社は、"競合会社との価格勝負になる製品からは手早く撤退"、"自社の強みを発揮できる製品に特化"する方針にもとづいて、売上げが減っても利益を確保する経営を貫いています。

創業当初こそ「大きいことはいいことだ」という時代背景の中で伸び悩むものの、重さ1gの精密歯車を完成した1973年、折からのオイルショックで世の中の価値観が「軽薄短小」、「省エネ・省資源」へと一変したことを機に注目企業へと躍進、10分の1g、百分の1g、千分の1gの極小歯車の量産・実用化に相次いで成功するとともに、1985年の台湾での現地法人開設を皮切りにシンガポール、マレーシア、タイ、韓国、中国、イギリス、ドイツと、継続して海外拠点を設立してきました。


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<外形0.5mmの極小ウォームギヤ>


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<シンガポール、タイ、マレーシア、台湾、中国、韓国など各国の関連企業で生産される精密プラスチック部品>


・"世界最小"の話題性で国内外の販路を開拓。絶大だった宣伝効果

同社の精密部品は、カメラ、ビデオ、ラジカセ、ヘッドホンステレオ、コンピュータ、OA機器、自動車部品、医療機器など国内外の多くの製品メーカに広く採用され、あらゆる製品の小型・軽量・薄型化を支えています。

しかし、実際に工業製品で使われている歯車は、最も小さなものでも千分の2〜3g。

同社は1999年に『世界一の小さな歯車』としてギネスブックに登録される歯数9枚、直径0.25mmの十万分の1gの歯車と、この歯車を太陽歯車とする直径1.24mmの遊星歯車回転機構を完成、さらに2002年には自らの世界記録を更新する「粉のように微細」なことから"パウダーギア"とも呼ばれる百万分の1g(直径0.15?、厚さ0.08mm、歯数5枚、ポリアセタール樹脂製、インボリュート歯形)の射出成形に成功していますが、いくら世界最小を銘打っても、ここまで小さいと現実的な用途がありません。

しかし、"世界最小"の冠があるこれらの歯車は、国内外のメーカやマスコミから注目の的、同社の社名とその技術力、極限に挑む会社の姿勢、創意工夫とチャレンジ精神を広く知らしめ、世界中からの引き合いを呼び込んだそうです。

電装機器の電子化・複合化が進んだことから、2000年ごろには全体の10%程度だった自動車関連の売上が急伸、近年は国内のほか、欧州の自動車部品メーカへの輸出も増え、売上比率の50%を超すまでに成長しているそうです。


 

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<パウダーギア>粉粒にさえ見えるためパウダーギアとも呼ばれる同社の極小歯車と米粒との比較。「限界に挑戦して常に新しいことを追い求める」という同社の象徴である1/100万g(歯数5枚)、1/10万g(歯数9枚)、1/1万g(歯数 20枚)の各歯車。いずれも歯の部分は肉眼では見えず、顕微鏡で覗いて初めて歯車であることがわかる微細さ。


・高速加工で手加工をゼロ化

このように超精密の樹脂部品で強みを発揮する樹研工業、どのような加工機を使っているのでしょうか。

かつての同社の工数配分は、機械加工30%:手加工70%というくらい職人への依存度が高かったそうです。

当時、金型工場で働く人の年間賃金は、「中国:10万円、日本:400万円」。

このような賃金格差を考えると40倍以上のスピードで金型を生産できなければ競争に勝てなくなる危機感がありました。

そこで、マシニングセンタやNCワイヤ放電加工機などのフル活用で手加工のゼロ化に取り掛かりました。

1990年ごろの工作機械見本市に松浦機械製作所が出展した精密高速加工機に接したことをきっかけに金型の高速直彫り加工を模索し、1993年に現在も主力機のひとつとして活躍する1機目の高速加工機「MC-510V」(松浦機械製、主軸30,000rpm仕様)を導入。

「コストはスピード、スピードはコスト」を合言葉に、400時間かかっていた金型の製作時間を成形品の精度や品質を保ったまま1日で完成させる時間短縮に取り組みました。

さらにFX-1(同,主軸30,000rpm仕様)も追加。

これらの高速マシニングセンタを用いて直彫り加工を行ないます。

部品のサイズに合わせた微小サイズの金型でありながらかつては400時間かかっていた金型加工の所要時間が、それ以来30〜60分に短縮したそうです。

なお、NC加工機と最適に連携できるCAD/CAMソフトウェアの選定と導入・サポートには松浦機械製作所との協力関係を重視したそうです。


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<加工風景>「MC-510V」(松浦機械製,主軸30,000rpm仕様)


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<自社製のモールドベース>


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<自社製成形機の部品、および金型部品>


・社内のPCはMacを使用

一方、80年代後半からポケットコンピュータなどを活用して"誰でも・いつでもコンピュータを使える環境"の整備を推し進めてきた同社は、90年代の前半、操作性に優れ、社内ネットワークの構築も容易だったMac(米国アップルコンピュータ社製のPC)を40台購入。

社内の各部門に設置(当時の社員数は約35名)して図面作成のCAD化と部品手配など事務作業の効率化を図りつつ、CADと連携する2D・2.5DのCAMソも導入し(自由曲面の加工はないため3D化の必要性はなし)CAD/CAM活用+高速NC加工を実現させました。

なお、同社では、これらのような新しいプロジェクトに取り組む際、その分野に詳しくない、いわゆる「素人」を抜擢してまかせており、彼らの"詳しくない"がゆえの自在な発想と素直さ、行動力に託すことで、大きな成果を得てきたといいます。

現在も同社では、事務用とCAD製図用に、計130台のMacが活躍しています。(ただし、CAMについてはMacで稼動するソフトウェアがないため、やむなく20台のWindows機を使用)

また、加工機についても主軸回転数65,000rpm仕様のマシニングセンタを追加導入し、一層の高速・高精度加工を実現しています。


 

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ソリッドモデルを活用したCAM作業。 CAD環境の構築はMacでも動作する「Vellum-CAD」の導入からスタートしたものの、3Dデータに対応するCAMにはMacで動作する適当なソフトウェアがないためWindows-PCを使用。

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