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『株式会社樹研工業』後半【彦】

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こんにちは、彦です。


前半では、創業から世界最小「十万分の1g」、「百万分の1g」の歯車と、その金型を加工するマシニングセンタを中心に紹介しました。

後半の今回は、同社の品質管理体制と、2004年にスタートしたナノ加工への挑戦を紹介します。


 

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株式会社樹研工業

〒441-8003 愛知県豊橋市小向町字北小向140-1

TEL 0532-31-2061

URL  http://www.juken.com/


・トライルームには世界中のエンプラ材料を在庫。独自の"ジュケンシステム"で品質保証。

同社では、成形部品の高品質を裏付ける品質保証のしくみとして、すべての生産品に関する情報を継続的・一元的に永久保管する独自の品質保証のしくみ"ジュケンシステム"を運用しています。

極小歯車づくりの基幹となる金型だけでなく、メーカとしての責任の明確化と品質保証の観点からそれらの金型特性に最適な専用の射出成形機まで社内で一貫生産。

これらの自社製の金型と成形機を使うことを前提に、すべての作業を標準化した「業務推進マニュアル」の手順に従って新しい金型のトライアウトを行なっています。

海外の樹脂材料も常時在庫しており、海外向けの金型では必ず現地の材料を使ってトライを行うそうです。

5tと10tの成形機を10台、25tの成形機を2台設備した成形工場のトライルームで実施されるトライアウトでは、量産に先立つ金型のエイジング(慣らし)とあわせて、数千〜数万ショットの成形を実施、成形品の各部寸法は精密測定室で計測し、金型の合否、量産適否の判定、否があれば修正個所の特定などを行います。

トライルームと精密測定室での一連の作業での結果やトライアウトでの製品サンプルは、部品や金型の仕様書とともに「トライファイル」に記録、量産時に求められる樹脂の流動性やその測定方法など、成形条件の決定とメンテナンスに関するマニュアルも作成します。

トライ結果にOKがでると、125台の成形機(5t、10t)を設備する成形工場にて量産テストを実施。

量産検査室で測定した代表特性値などを「部品管理ファイル」に記録して、トライファイルとともに一元管理。

海外へ出荷する金型については、部品管理ファイル中の海外向けの部分をコピーして「海外部品管理ファイル」にも保管します。

なお、これらのファイルは紙(プリントアウト)でも保存。

金型の自社製造を始めてから34年にあたる2008年においては過去34年分の記録が残っており、すべての金型とその成形品について追跡調査ができるそうです。


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<成形工場に並ぶJMW製の射出成形機>

・金型と成形機も自社生産、モールドベースにはスウェーデン製の高級鋼材を使用

極小歯車をはじめとする同社ならではの微細部品の製造には、高精度な金型に対して最適化した射出成形機が必要です。

このため、同社は金型と射出成形機の設計・製造も自前で手がけています。

たとえば、金型製作は有限会社ジュケンファインツール(JFT)が担当。

小さくとも高精度な噛み合いを実現する歯車の寸法を200万回以上のショット数でも保証するなど、自ら設定した厳しい自社規格「JFT規格」を満足させるために耐久性に優れたスウェーデン製の高級工具鋼を用いたモ−ルドベ−スを使用し、樹脂の流動バランスの関係から少数個(1〜2個)取りとして設計しています。

結果的に、金型の重さは7〜12kg(!)。

海外生産などでの迅速な立ち上げやメンテナンスの際にも、手荷物として持ち運びできる重さです。

また、精密部品に最適な小型成形機を製造するのは株式会社ジュケンマシンワークス(JMW)です。

JMWが設計・製造する射出成形機は、工場運営の低コスト化に有効な省スペース・省エネ・低騒音のコンパクトボディで、油圧・温調などの金型管理、安全性の追求、成形条件のデータ転送とデジタル設定、120型分の記憶機能など、多品種・小ロット成形の製造工場に嬉しい機能満載。

自動ネジ抜き専用機、完全自動インサ−ト専用機、超小型部品(千分の1g級)専用機、除湿乾燥機、製品取り出し機などもラインアップし、キャビ別管理、生産ロット管理、コンピュータによる遠隔管理装置、24時間無人稼動フル生産など、顧客ニーズに合わせた最適な設計・製造を行っています。

なお、これらの金型や射出成形機は外販もおこなっており、売上は年間10億円超、射出成形機の累計出荷台数は千数百台あり、世界各国ですでに1,000台以上が稼働しているそうです。


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<小型成形機の例(電動小型成形機 「JMW-018S-10t」)>


・ナノの世界へ新工場を竣工

グローバル化に伴ってメーカの海外進出が加速した2000年以降、樹研工業を支えていたカメラや腕時計向けの売上げは減りつつあったといいます。

そこで、新たな経営計画を策定し、2004年には非球面レンズなどの光学分野の金型製作をターゲットとした新工場を竣工、超精密曲面加工機「AHN05 Nano Processor」(豊田工機製)やワイヤカット放電加工機「UPH-2」(牧野フライス製)を導入し、微細加工技術をベースにした新たなレベルの超精密加工の探求を始めたそうです。

その重点分野としては技術格差が明確に現れる険しい道をあえて選択。

具体的には、1)超精密加工によるマイクロ部品と金型、2)焼き入れ研磨による超精密金型、3)超精密研磨技術による光学用金型、4)超短時間(超高能率)製作による超低コスト金型、の4つを選びました。


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<ナノ加工の切削サンプル>

トーリックレンズ、マイクロ流路、サーキュラグレーティング、シリンドリカルグレーティングなど。


 

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<AHN05ナノプロセッサによるマイクロレンズ用キャビティなどのテスト加工ピースと、その表面精度の測定結果>



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<ナノプロセッサ用工具の例>

加工形状に応じて刃先形状が作り込まれた特注品。(材質:単結晶ダイヤモンド、日本アライドマテリアル社製)


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<AHN05ナノプロセッサによるマイクロレンズ用キャビティのテスト加工ピースなど>

中央は10円玉、その左側はテスト加工ピースの表面の拡大写真。

ひとつの円=レンズの直径は 0.125 mm



・月に1度、土曜日の勉強会

社員教育のひとつとして、同社では月に1度、土曜日1日を使って「勉強会」を行っています。

社員が交代で幹事をつとめ、有志の社員が「ひとり2コマ(2時限)まで」という具合にして講師を務めるスタイルで、任意参加ながらも学びの面白さが認知されて毎回社員全員が出席しています。

勉強会のテーマは、加工技術やコンピュータ技術をはじめ、経営に関わりのある政治・経済、国際情勢、環境などバラエティ豊富。

社長が話すコマがなくなるほど内容盛りだくさんになることも多々あるそうです。

なお、勉強会にあたっては事前に資料が用意されます。

また、昼食時には"豪華"お弁当が会社負担にて提供されるそうです。


・インタビュー

株式会社樹研工業 代表取締役 松浦元男氏

当社は「極限を狙い、限界を進む」を理念としており、技術力の追求を重視しています。
「まずは誰にもできないことをやってみよう」という既存技術の限界への挑戦を通して、いろいろな面でひとりひとりの従業員が豊かになり、会社も豊かになることが理想です。

たとえば、当社は今日でこそ1/100万gの歯車を作れるわけですが、その技術も最初からあったわけではなく、創業以来、チャレンジ精神を絶やさずに、努力を重ねて少しずつ培ってきたものです。

今年はこれにチャレンジする、3年後にはあれに挑戦するなど、現在の課題と近い将来の目標を明確に掲げ、前向きな姿勢を持ち続けることで事業を進めてきました。

経営者としては、"人の可能性"を信じる力と、それを引き出す環境や仕事のしくみづくりが重要だと思います。

また、土曜日の勉強会については、戦後の日本を振り返ればわかるように、何もない所から創意工夫により素晴らしいプロダクツを創り出す、日本の製造業の原点を見直す場にもなっていると思います。

それと、社員の成長に大きく影響するのが経営者自身の姿勢、"生き方"です。

自己の利益と保身に執着するような経営者や役人のニュースがしばしばありますが、言っていることが立派でもやっていることが矛盾するようではいけません。

「親の背を見て育つ」とはよくいったもので、究極的には社長が襟を正して、人としての道や徳というものを語らずして示すことがもっとも大切だと思います。

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