昨日は立冬、暦のうえでは冬になりました。 ここからは時間がどんどん加速するのが毎年の恒です。
この週末、街にはクリスマスの飾り付けを見かけるようになり、当方は年の瀬のご挨拶と年賀状の準備を始めました。 本日も【彦】が書かせていただきます。
今回は前回に続き、株式会社タカオ設計事務所と、同社の主力商品の『ルズコン-30』についてご紹介します。

(株)タカオ設計事務所
千葉県流山市南流山6−24−13
http://www.losecon.co.jp/
1984年(昭和59年)にモールド金型の設計事務所として創業。 現在、金型に関連する国内特許を4件、実用新案1件、共同出願特許4件、意匠登録5件、海外特許出願2件、海外意匠登録1件、共同意匠登録4件の知財・工業所有権を所有。

『ルズコン30』のラインナップ
SS、S、M、L、LL、XLの6つのサイズを用意。差替え式カセット金型のような質量10kg程度のミニサイズから、大型乗用車のバンパーやインパネなど30トン前後の大サイズ金型まで幅広く対応。

ルズコン-30による小型化
従来機構ではルーズコア全体が大きくなっていた。ルズコン-30を使用するとロッドが細くなることで総合的な省スペース設計が可能になり、金型全体の加工体積などは従来機構の6分の1程度にまで削減できる。加工時間の短縮、加工ひずみの抑制にも効果がある。
金型のアンダーカット対応を革新
タカオ設計事務所の主力商品である『ルズコン-30』は、同社が独自アイデアにもとづいて「安全」・「簡単」・「コストダウン」をコンセプトとして設計・開発した、マルチアンダーカット対応の金型機構部品です。
商品名は、「ルズコン」の部分が"ルーズコア・コンポーネンツセット"に、「30」の部分が"金型設計時の標準シフト角が30°であること"に因んでいます。 つまり、《30°のシフト角を通常の作動角として使用できる(!)》わけです。
エジェクタプレートの上昇と共にスライドベースがガイドロッドに沿って動くという基本動作を行うため、
1)コアロッドには原理的に曲げモーメントが発生せず、
2)コアロッドが細くできるため、アンダーカット機構全体をコンパクト化でき、
3)成型品の内側・外側のアンダーカットに極めて安全に対処でき、
4)省スペース設計によって製品設計の自由度も拡大、
5)上記の相乗効果で材料費、加工費、運搬費など、金型の諸コストを総合的な削減できる、
といった特長を有しています。
■ ルズコン-30を用いたアンダーカット処理イメージと実物の組込み例
概要 → http://www.losecon.co.jp/losecon/
組込み例 → http://www.losecon.co.jp/losecon/applicationex/
これらの特長によって、インパネやドアトリム、ピラーカバーなどの自動車の内装、グリル、バンパー、ホイルキャップなどの外装、家電分野ではエアコン室内機のフロントパネル、複写機の筐体やトナータンク、プリンタの下ケースやインクホルダなどに幅広く用いられ、ハイレベルな意匠や仕上がり精度が求められるアンダーカット対策に多くの実績を有しています。
構造的に複数部品が複数プレートにまたがることによる角度や位置精度の誤差累積には連結部各所に設けた自動調心機能で対処もできるそうです。

ガイドロッドの効果
ルズコン-30使用時のイメージが左側、一般的なアンダーカット処理機構のイメージが右側。
ガイドロッド(矢印のロッド)のないコアロッドのみの機構では、エジェクタプレートの上下動がスライドの左右動に変わる際にコアロッドに曲げモーメントが生じる。(右写真の丸印の部分、曲げモーメントによってコアロッドがたわむため、金型プレートとの干渉が発生。)
さらに、ルズコン-30を構成するコアロッドの端部に使用してコアロッド熱膨張伸長を吸収させたり、成型品の外観異常(艶ムラ)現象が生じた場合の調整にも有効な『ルズロック』や、アンダーカット処理の機構をさらに省スペース化してルーズコア機構の経済性をさらに高める『ガイドホルダ』も用意してプラスチック部品の成形とそのための金型設計の革新に取り組んでいます。
たとえば、内側六角ネジを用いているルズロックは、
・最小直径の丸穴で金型プレートに取り付け可能で、
・組み付けのために必要悪となっているレンチ穴のスペースが不要、
・スライドの滑りが無いため調整も簡単、
といった利点があります。
また、ガイドホルダは、
・ボルトレスのため加工や組立作業も容易、摺動部もナシ、
・締結部品や温調穴等の構造部との干渉が回避でき、
・角穴加工も単純な丸穴でOK、
などの特長によって、さらなる省スペース化が可能になるそうです。
■ 『ルズロック』、『ガイドホルダ』の概要と特長
→ http://www.losecon.co.jp/losecon/llgh/
使いこなしの指南も手がけるサポート体制
30°のシフト角を通常の作動角として使用できる『ルズコン-30』ですが、突出しストロークなどに制約がある場合などにはさらに大きなシフト角での利用も可能であり、この点について、タカオ設計事務所では、
・従来のような勘や経験による判断ではなく、
・「この設計では荷重負荷はどれくらい」、「角度が○゜なら、荷重負荷は○kgfまで大丈夫。」というように、設計値にもとづいて荷重負荷を理論的に計算して安全性を算出・保証
しています。
また、タカオ設計事務所では、ルズコン-30にまつわる技術計算や温度補償のための寸法調整の計算などを無償で実施。過剰な強度の最適化提案、構造検討や強度計算などのCAEを含む各種テクニカルサービスも行っています。
たとえば、温度補償については、温調回路をもたない一般的なルーズコアにおいては、射出成形時には周囲のコア部に比べて50℃程度高い温度になることがわかっています。
この温度差に伴う寸法膨張がシメシロとなって突き出し抵抗を生じ、金型のスムーズな作動が阻害されることもあるのですが、熱膨張を予測して寸法を調整したり、平行摺動部を勾配勘合にしたりするなど、より安全な動作ができるような技術サポートを提供したり、 ルズコン-30など同社製品について、仕様、技術情報、設計手順の詳細と問い合わせ票をセットにした解説書「取扱説明書・バージョン5.1」も用意するなど、全方位的にユーザへの便宜を図っています。
■ (株)タカオ設計事務所のエンジニアリングサービス
→ http://www.losecon.co.jp/egservice/
なお、注文品の出荷については、国内向けは、午後3時ごろまでに届いた注文書に対しては即日発送、それ以降は翌営業日に発送。注文の翌日〜翌々日にはほとんどの地域で注文品が受け取れることになります。
なお、海外での調達に関する相談については、タカオ設計事務所のほか、DME社の日本法人である日本ディー・エム・イー(株) (東京都江東区東陽4-10-4 、http://www.dme.co.jp/ )が窓口となっています。 海外でのデリバリーや技術サポートは、米国に本社を持つ国際的な金型部品会社であるDME Co.社も代理業務を行っているそうです。

組立て風景
寸法精度、キズ、バリなどをチェックしながら社内にて組み立て・梱包・出荷。
株式会社タカオ設計事務所のような、独自アイデアを技術革新に役立てたいと志す企業がますます活躍するとともに、そのために必要な知的財産などの権利が正しく守られる社会になることを期待せずにいられません。
今年も残すところ7週間、はりきってまいりましょー!
最近のコメント