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5週目vol.3 『八百万の神様(3/3)』 【彦】

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 華やかなクリスマスも過ぎて、2009年も残すところあと1週間たらずであります。

 ブログのメインテーマである「加工技術」と関係の薄い話題を扱う“5週目増刊号”、Vol.3は拡大版として (かつ、諸事情により誌面の引用をベースにしつつ)、3回にわけました。 その最終回であります。 

 

  

 「ダカーポ」2007年9月19日号(No.614)

 “とてつもない日本・世界一の技術”

 

 今回は、2007年12月に休刊となったマガジンハウス社の情報誌「ダカーポ」の2007年9月19日号(No.614)の中から、第一特集「“とてつもない日本・世界一の技術”」のまとめとして収録されているところの 赤池学×野村進×橋本克彦 の3氏による座談会のページ(p26〜31)をまるごとメモさせていただきます。 長文です。

 

■ 赤池学(科学技術ジャーナリスト、ユニバーサルデザイン総合研究所所長)

   http://www.udinet.com/company/member_akaike.htm

    ユニバーサルデザイン総合研究所ホームページ  http://www.udinet.com/

 ■ 野村進(ノンフィクションライター)ホームページ http://nomurasusumu.net/

    あのひと検索 SPYSEE [野村進] http://spysee.jp/%E9%87%8E%E6%9D%91%E9%80%B2

   ウィキペディア『 野村進 』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E6%9D%91%E9%80%B2

 ■ 橋本克彦(ノンフィクションライター)
   あのひと検索 SPYSEE [橋本克彦] http://spysee.jp/%E6%A9%8B%E6%9C%AC%E5%85%8B%E5%BD%A6

 

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<以下、引用> 

 

「日本人はなぜ、技術者を尊敬するのか?」

 

 −日本人は「職人」や「匠」といった言葉が大好きで、技術者に対し特別の感情をもっています。日本人は、わが国の技術文化に誇りをもっていますね。 なぜ、このような技術文化をもつようになったか、考えてみたいと思います。

 

【野村】 日本人にとって、モノづくりを大事にすること、技術を継承することを尊いと考える価値観は当たり前のように思われます。 ですが、日本以外のアジアに行ってみると、必ずしもそうではないんですね。 モノづくりを尊いと考えるのはまれなことで、自分の手を汚して何かを作ることを、それほど尊重しない場合が多いのです。


 おもしろい例で言いますと、饅頭を作って何百年という老舗が日本にはありますね。 そのことを日本人は誇りに考えます。 ところが、お隣の韓国では饅頭を100年作ってもほとんど尊敬されないでしょう。 饅頭で繁盛したら、次により高いステータスに向かう傾向があるんです。饅頭つくって何百年が評価される国って世界的に見てもまれなんじゃないかと思います。

 

 僕が『千年、働いてきました』で書いたことは、日本には驚くほどに老舗企業が多いということ。 大阪には、飛鳥時代から寺社仏閣を建ててきた金剛組という創業1400年以上の“世界最古の企業”があります。
 他にも創業1300年の北陸の旅館、創業1200年の京都の和菓子屋などの老舗もある。日本には創業100年以上の企業が10万以上あると推定されています。 でも、日本以外のアジアでは、100年以上続いている店舗や旅館はめったにない。 韓国には1軒もありません。 それだけ日本は、技術を継承しようとすることに価値をおいているのです。

 

  

職人のアジア、商人のアジア、文人のアジア

 

−野村さんは『千年、働いてきました』の中で、「職人のアジア」に対して、華僑などの「商人のアジア」があると書かれていました。日本はアジアの中でも稀有な「職人のアジア」の国であるということですね。

 

【野村】 「職人のアジア、商人のアジア」と二分法にしてしまいましたが、もしかしたら朝鮮半島は「文人のアジア」かもしれませんね。儒教を説く儒者がいちばん尊敬される国ですから。 それは「商人のアジア」とも違います。
 それに比べると日本は、戦国武将が自分でもっこを担いで城を造ったりする国で、やはりだいぶ気風が違う。中国の皇帝が城造りに汗を流したり、朝鮮の両班(=ヤンパン。特権支配階級)がモノづくりに励むなんてこと、ありえませんからね。

 

【赤池】 野村さんが1000年というスケールに着目されたのは興味深く思いました。 僕も2001年から「千年持続学会」という学会で、主に自然科学系のサイエンティストたちと社会システムや技術を1000年持続させるためには何が必要かを考えています。 それには、1000年以上のサスティナブル(持続可能な)デザインを調査して、なぜそれが1000年続いたかを分析することが重要です。

 そして、この1000年デザイン系のコンテンツは、日本にはたっぷりと蓄積されています。たとえば、漆技術は縄文時代までさかのぼりますし、縄文土器からシルクタンパクが見つかっているので、山繭蛾(ヤママユガ)を使った養蚕技術は中国よりも早い可能性がある。

 

 また、造船技術にしても阿倍仲麻呂が日本の技術を唐につないでいた可能性があります。 彼が遣唐使で渡った後に唐では竜骨船のようなものが作られるのですが、それ以前には存在していないんですね。阿倍仲麻呂の父は阿倍船守という造船家で、こういうテクノクラートの歴史や交流というのは、すごくディープなものがあります。

 


日本の技術者の中のアニミズムの精神

 

【橋本】 日本では、飛鳥時代から豪族が氏神様と同じような感覚でお寺を建てていますね。国教としての仏教とかではなくて。 大宝律令(701年)のはるか前、6世紀の末ごろには、飛鳥寺が蘇我馬子によって建てられています。奈良県の明日香村のあたりですよ。 発掘された遺構には、石垣などに朝鮮渡来の土木技術が施されている。 飛鳥の開発には、蘇我氏の下で権勢をふるった渡来氏族の土木技術が重要な役割を果たしています。技術の蓄積はこういう混交の中に進んでいったと考えていい。

 だから、この時代までさかのぼると、中国も朝鮮も汗をかく技術者を下賎な職業というほどには考えていなくて、むしろその後に分化していって、日本人の技術好きの側面が発揮されたと考えたほうがいいように思うんです。

 

【赤池】 もともと基層的には縄文人の数千年にわたるリージョナル(地域的)なモノづくりがあって、そこに渡来技術が流れこんできた。 動乱などで流れ着いたボートピープルの中で、原資がなくても飯が食えたのは技術者だけですからね。 それが(日本の文化と)同化していくんですね。仏教なんかも日本の多神教の中に組み込まれていく。

 

【野村】 僕は、日本の技術者の取材をしていて、多神教というか、日本型のアニミズム(万物に神がいるという考え方・信仰)をつくづく感じましたね。 技術者は金属を擬人化するわけですよ。「金箔は人の心を読む」とか、「金属のほうから自分の特質を訴えかけてくる」とかね。 考えてみれば、針供養なんかも日本ならではの風習かも知れませんね。さんざん使った針を供養するというその根っこには、日本型のアニミズムがあるように思います。

 

【橋本】 鉄とお話しするというのも、鉄の精霊とお話ししているのかも知れない。 それに、仏像を彫る人は気の中に埋もれているものをかき分けて仏像を出すんだっていうわけですね。大木を見て仏像を感じられるかどうかというのは、相当アニミズムっぽいよね。

 

【野村】 仏像に関しては「削る文化」と「重ねる文化」とがあって、日本では1本の木を削りに削って、木の中におわす仏を浮かび上がらせるわけです。 これに対して日本以外のアジアでは、ほとんどの国が素材や装飾を塗り重ねて仏像を作ろうとする。方向が全く逆なんです。

 

【赤池】 それが「もったい(勿体・物体)」ですよね。物の中に存在する神格性を「もったい」というわけです。仏教用語で「開発」と書いて「かいほつ」と読むのですが、物の中から「もったい」を引き出すことを「かいほつ(開発)」と言うんですね。 「もったいない」は「本来あるべき物がない」という意味で、そこから物が粗末に扱われて「惜しい」という意味になったわけです。

 

【野村】 日本のアニミズムにとって、森が残っているというのは非常に大きいと思うんです。中国大陸にも朝鮮半島にももう森がないわけですね。刈り尽くしてしまって砂漠化してしまっている。 森が残っているというのはまだ精霊が居続けているということですから。


 

 

継承された技術の中に新しい開発が生まれる

 

【橋本】 僕はJICA(国際協力機構)の派遣でタイの国有鉄道を取材したことがあります。タイの鉄道の開通は1894年で、日本が1872年ですからアジアでもかなり早い時期です。そこから日本は新幹線まで上りつめるのですが、タイの鉄道は今ものどかなものです。
 実際に乗ってみたら、補修整備が不十分で危なっかしい線路だった。日本人の担当者に聞いてみると、「タイでは、線路に問題があっても、それを指摘すると前任者に悪いから黙っている」というんです。(笑)

 

【野村】 日本とは違う気配りですね。(笑)

 

【橋本】 スピードが遅いので脱線にはならないでしょうが、現状に改善の余地があるのに前任者に悪いから黙っちゃうみたいな規範があったりすると、技術の発展継承ってないですよね。 このあたりはアジア圏の中で日本は抜群に優秀であったし、自由であったと思います。

 

【野村】 徳川の体制が重要なポイントではないかと思うんです。徳川も形式的には儒教を取り入れて縛りをかけていたんですが、末端の技術に関しては非常に自由だったんですね。それが以外にたくましく今日まで生き延びている。 江戸時代、静岡は各地の大工さん漆職人、指物師なんかを集めるわけです。その伝統が今も生きていて、赤池さんのご本によると模型会社の70%が静岡にある。

 

 また、静岡には村上開明堂という自動車のバックミラーを日本全体の約6割作っている会社があるんですが、ここはもともと鏡台を作っていたんですね。 実は鏡台は静岡の地場産業で、日本全体の約6割を静岡で作っていて、これも江戸時代からの技術の蓄積によるものです。 鏡台がバックミラーやサイドミラーになるのですから、技術の継承や発展というのは奥が深くておもしろいですね。

 

 

−日本の技術の奥深さは、先端技術と伝統技術が融合している点にあるように思いますね。 携帯電話の中に金箔の技術が活かされていたり、、、。
 

【赤池】 伝統工芸の世界も、立ち上がりの頃は絶対ハイテクだったんですよ。 今だって超ハイテクの伝統工芸の漆器だってあるわけでしょ。 伝統と呼ばれるモノの中に先端があるし、絶えずフロントランナーであろうとするモノづくりには必ず突出した技術があるわけで、先端同士というのは自由に無理なくつながっていく。最先端のモノは科学的・合理的に設計されているわけですから。

 

【野村】 ある老舗の製造業の社長から聞いたんですが、中国がダメなのは技術がタテにもヨコにもつながらないからだと言うのです。 技術を独り占めして、それを売り物にして渡り歩くわけです。 日本の場合、技術がタテにつながる伝統があるし、ヨコにつながる文化もある。技術はつながっていかないところでは発達しないんだよと言っていましたが、説得力がありましたね。

 

【赤池】 日本の技術力がこれから期待される領域は2つあって、一つはライフサイエンスの世界です。日本はナノテクノロジーのトップランナーですから、医療の分野にもっと日本の技術を活かしていく。 2005年にNECの技術者が直径が毛髪の1万分の1という超微細な新素材カーボンナノホーンの中に抗がん剤を詰め込んで、癌細胞を死滅させることに成功しましたが、副作用の少ない新しい治療技術として注目されています。

 
 もう一つは、持続可能な食料調達のために日本の技術力を活かすことです。理化学研究所が重イオンビームを使って植物の新しい育種法を開発していますが、これによって作物に塩分耐性を付与できれば「海洋農場」も夢ではなくなる。 衛生からの水資源探査技術や、ITを使ったエコモニタリング技術で日本独特の“精密農業”が可能となる。各省庁が連携して大きな生命産業プロジェクトとして進めていけばいいんですよ。


<全文引用、ここまで>

 

今年の小生の投稿はこれでおしまいであります。 みなさま、よい年末年始をお過ごしくださいませ。

 

■ ウィキペディア 『 金剛組 』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E5%89%9B%E7%B5%84

 

■ 金剛組ホームページ
http://www.kongogumi.co.jp/

 

■ 『千年、働いてきました ―老舗企業大国ニッポン 』(角川oneテーマ21)(48件のカスタマーレビュー)  

http://www.amazon.co.jp/%E5%8D%83%E5%B9%B4%E3%80%81%E5%83%8D%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E2%80%95%E8%80%81%E8%88%97%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%A4%A7%E5%9B%BD%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%9D%E3%83%B3-%E8%A7%92%E5%B7%9Done%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%9E21-%E9%87%8E%E6%9D%91-%E9%80%B2/dp/4047100765

 

■ ウィキペディア 『 漆器 』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%86%E5%99%A8

 

■ “漆を科学する会” ホームページ

http://web.kyoto-inet.or.jp/people/urushi/

 

■ ウィキペディア 『 日本の文化 』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%96%87%E5%8C%96

 □ ご参考) 『 飛鳥寺 』

  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9B%E9%B3%A5%E5%AF%BA

 □ ご参考) 『 飛鳥文化 』

  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9B%E9%B3%A5%E6%96%87%E5%8C%96

 

■ ウィキペディア 『 多神教 』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9A%E7%A5%9E%E6%95%99

 □ ご参考) ウィキペディア 『 神 』
   http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E

 □ ご参考) ウィキペディア 『 精霊 』

   http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B2%BE%E9%9C%8A

 □ ご参考) ウィキペディア 『 唯物論 』
   http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%94%AF%E7%89%A9%E8%AB%96

 

■ ウィキペディア 『 森林 』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E6%9E%97

 □ ご参考) “森林大国ニッポン”にチャンスあり! 地方銀行が、新たな「森」と「ビジネス」を育てる

  http://diamond.jp/series/miyama/10007/  (← この記事、おすすめです♪)

 

■ バックミラーで国内シェアNo.1 〜 村上開明堂 〜 ホームページ
http://www.murakami-kaimeido.co.jp/

 

■ “加速する医療テクノロジー”(ニュートンドクターWebサイト)
http://www.newton-doctor.com/saisentan/saisentan01a.html

 

■ 理化学研究所ホームページ
http://www.riken.go.jp/index_j.html

 

■ ウィキペディア 『 理化学研究所 』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%90%86%E5%8C%96%E5%AD%A6%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80

 

■ ウィキペディア 『 ナノテクノロジー 』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%8E%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC

 

■ ウィキペディア 『 カーボンナノホーン 』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%8E%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%B3

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