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書評『世界を変えるデザイン』【ochi】

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・世界の全人口65億人のうち、90%にあたる58億人は、私たちの多くにとって当たり前の製品やサービスに、まったくといっていいほど縁がない。さらにその約半分は、食糧や、きれいな水、雨風をしのぐ場所さえ満足に得られない。(イントロダクションより)

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『世界を変えるデザイン ―ものづくりには夢がある?』

 

月末恒例の書評です。
今回、ご紹介する書籍のテーマはずばりデザイン。


デザインというと、

オシャレで使い勝手がよくって、その代わり少し高いというイメージがあるかと思うのですが、

本書で言うデザインは、ちょっと違います。


本書で言うデザイン。

それは世界の人口の90%にあたる人々へ向けた、

シンプルで機能的で、低価格な本当に生活するために必要なもの。


もしかしたら、デザインに対しての考え方を

見つめなおすきっかけになるかもしれない、そんな1冊です。


■ 目次
序文
Part 1 デザイン革命とその可能性
  世界に広がるデザイン――貧困に終止符を
  残りの90%のためのデザイン
Part 2 デザイン・プロジェクトの現場から
  畑から作られる燃料
  収入を得るためのキックスタート
  ワン・ラップトップ・パー・チャイルド(子供一人にラップトップ一台)
  安定的で再生可能な農村部エネルギー
  水を転がす スラム地域のソーラー・キッチン
  命を守るトウガラシ・フェンス
  リープフロッグを起こす――グローバル・イノベーションのためのデザイン戦略
  カトリーナ家具プロジェクト
  取り残された人々から学ぶこと――真の公共建築のためのマニフェスト
  すべての人に聴覚を
  ポットインポット・クーラー
Part 3 残りの90%のためのデザイン展 展示品の紹介
統計情報
参考文献
関連・協力組織一覧
監訳者あとがき


■ 書感

・『DESIGN FOR THE OTHER 90%』(原題より)
・世界のデザイナーの95%は、世界の10%を占めるにすぎない、最も豊かな顧客向けの製品とサービスの開発に全力を注いでいる。(p40)

本書の原題は『DESIGN FOR THE OTHER 90%』。
英語が苦手な頭を駆使して訳してみると

「(世界の)他の90%のためのデザイン」

といったところでしょうか?

 

多くのデザイナーのデザインするプロダクトは、
世界の90%の人々ではなく、10%の豊かな人に向けて作られたものだといいます。

すなわち、世界の大半の人には、

不要なもの(あるいは手の出ないもの)であるということです。


本書ではデザイナーという言い方がされていますが、
これはものづくりに携わる人すべてに当てはまる数値のような気がします。



・特別に魅力的というわけではなく、機能も限られていることが多く、価格は非常に安い。だが、そんなデザインが人間の生活を変え、時には命を救う力さえ秘めているのだ(p13)
・デザインは、場合によっては高価すぎるために、それを最も必要とする人たちにとって手が届かず、持続可能でないことがある。(p36)
・本書のテーマは、高価な解決策を提供することではなく、低価格なオープンソースのデザインの提供にある(p38)
・一日の稼ぎが2ドル以下の世界の27億人にとって、手に入る価格かどうかが決め手なのだ(p42)
・小型化と値段の手頃さの二つの面で、画期的な案を出すこと。そして三つめのポイントは、新製品を限りなく拡張していけるようにすることだ。

世の中の90%の人々が求めているものそれは、
オシャレなデザインではなく、問題を解決するためのデザイン。
余計な飾りはむしろ邪魔なわけです。


低価格で、小型で、さらに多機能ではないが本当に必要な機能が織り込まれている。

そんな製品が求められています。

今、我々の周りにある製品とは、

どちらかといえば逆の発想が必要になってくるわけですね。


ここで求められているデザインのポイントの一つに、

小型化があげれられていますが、

それこそ日本のものづくりの得意とするところ。

もしかしたら、日本のものづくりの方向性を検討する上で、

世界の90%の人々のことを考えることは、必要なことなのかもしれません。



・世界の貧困層の生活を改善したいという動機で、手頃な価格の製品の開発を始めているデザイナーが、今は少数でも増えつつあるのは確かに立派なことだ。だが、安くデザインするというプロセスを推し進める、本当に長続きする原動力は一つしかない。
 それがお金になるからだ。(p59)

本書で取り上げられているデザインは、社会的に有意義なことです。
しかし、職業として、デザインやものづくりに関わっている以上
そこに利益がなければ意味はありません。


少し乱暴な言い方かもしれませんが、
これは慈善事業ではなく、ビジネスなのです。


社会的に意義のあることをして、利益を得る。
それって、すばらしいことではないでしょうか?


ちなみに、本書。
ふんだんにカラー写真が掲載されており、
読むだけでなく、見ることでも伝わってくるつくりになってます。



そんな本書で紹介されている製品群の中から、
Q-ドラムという製品に関する動画がありましたのでご紹介します。




仕組みは非常に単純です。

従来なら、重いバケツを抱えて川まで水を汲みに行っていたのを、
Q-ドラムを採用することで、転がしながら運ぶことができるようになったというもの。


恐らく多くの方が、ニュースやドキュメンタリー番組などで、
川まで水を汲みにバケツを抱えて行く人がいる事実
を知っているのではないでしょうか?


それを見て。。。
『大変だなぁ』と思うか、
『先進国の税金を使って整備すればいいのに』と思うか、
『転がして運べる製品をつくろう』と思うのか、


ものづくりに携わるものとして非常に考えさせらる一冊です。



■ 展示会の情報
本書に関することを、ネットで調べていたら、

偶然にも、5,6月に東京で展示会が開催されることが解りました。


『世界を変えるデザイン展』 http://exhibition.bop-design.com/

・東京ミッドタウン・デザインハブ(港区赤坂)
5月15日(土)〜6月13日(日) 11:00 ? 19:00
・アクシスギャラリー(港区六本木)
5月28日(金)〜6月13日(日) 11:00-19:00(最終日は17:00まで)

入場料 : 無 料


2つの会場で開かれるこの展覧会。
興味がおありの方は是非。



■ 書籍概要
『世界を変えるデザイン――ものづくりには夢がある』
シンシア スミス/編, 槌屋 詩野/監訳, 北村 陽子/翻訳  
英治出版 (2009-10-20)


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いわゆるユニバーサル=デザインに

通じる考え方ですね。

<ユニバーサル〜普遍的な>

「誰にとってもヤサシイ設計」の品物。

言うは易く行うは難し、ですが

設計やアイデアで物事を解決しようとする姿勢は

デザイナーと呼ばれる人だけでなく

すべてのモノづくりに携わる人に必要でしょう。

たしかに「言うは易く行うは難し」
簡単に実行に移せるもんじゃないと思います。
ただ、この事実を知っている人と
知らない人の差というのは、相当に大きいような気がします。

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