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金型設計・製作の最近のブログ記事

去る2/5(水)~7(金)の3日間、パシフィコ横浜 展示ホールC・Dを会場として

「テクニカルショウヨコハマ2014」(第35回・工業技術見本市) が開催されました。

 

昨年、および一昨年は、全日本製造業コマ大戦の全国大会(G1)が開催された展示会でもある同展、

神奈川県内で最も大きな工業技術・製品の見本市として、今回は 『 未来につながる 新たな技術 』

をテーマに、556の会社や団体が出展しました。

 

この展示会で、藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町の神奈川県内2市1町の中小企業が出展する

「湘南広域行政都市行政協議会」 のブースに、コマ大戦の行司としてもご活躍の

このブログにおいては書評を投稿しているOchiさんが代表を務める株式会社モールドテックと

国内2輪車レースの最高峰、全日本ロードレース選手権にも参戦中の株式会社シンクフォー

が出展しました。 写真でご紹介します。

 

■ 『 テクニカルショウヨコハマ2014 』 公式サイト

 → http://www.tech-yokohama.jp/tech2014/

 

■ 株式会社モールドテック ( 藤沢市 )

 → http://www.pluto.dti.ne.jp/~m-tec/

 展示概要 : 設計の知識を生かした製品制作サポート・コンサルタント

 

■ 株式会社シンクフォー ( 茅ヶ崎市 )

 → http://www.syncfor.co.jp/

 展示概要 : 研究開発用試作部品、複雑形状部品、自社オリジナルブランド製品

 

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↑ この金属製のスケール、切削のみで製作されています。 詳しくはOchiさんによるブログ

 「2代目設計屋・仕事っぷり」のこちら"【展示会】テクニカルショウヨコハマ2014に出展しました"

  http://ameblo.jp/ochi-work/entry-11771949092.html をご覧ください。

  

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ところで、この写真。 背中からワイヤーが出ていますが、この先はマシン本体につながっています。

なんと、2輪車用のエアバッグ。 レース中に転倒すると、ライダーがマシンから放り出されて

地面等に強打することがあります。 アクシデントの際、ワイヤーが強く引っ張られるなど、

"放り出された"と判断すると ライディングスーツの首廻り・肩~背中に組み込まれた

エアバッグが膨らんで身体のダメージを抑える仕掛けだそうです。 すごい!   ちなみに、

エアバッグをジャケットに組み込んだ 一般用の2輪車エアバッグも市販されているそうです。

 

□ ご参考) ウィキペディア 『 エアバッグ 』

 → http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%B0

 

なお、株式会社シンクフォーが参戦している全日本ロードレース選手権、チーム名は

『 シンクエッジ4413レーシング 』 、参加カテゴリーは 『 J-GP2 』( エンジン:4ストローク600cc、

最低車両重量148kg )。 4/27のオートポリスサーキット(大分県)が今年の初戦です。

 

 # 各カテゴリーの詳細は http://www.superbike.jp/superbike/page2.html を

 # レースカレンダーは http://www.superbike.jp/news/2013/12/2014_1.html をご覧ください。

 

先週末は各地で大雪でした。良い週末をお過ごしくださいませ。


製造業応援ブログの記念すべき第一回目で紹介したウォーマー株式会社。

先日、近況を聞きに行ってきました。

 

前回のウォーマー株式会社の記事はこちら

ウォーマーは、1工場で製缶、2工場で射出成形型製作/検査治具/加工治具製作を製作されています。

 

2工場には、たくさんの金型が置かれていました。

新型もいくつかありましたが、ほとんどは設変や修繕依頼の金型で、中にはかなり年季の入ったものもありました。

ちょうど行ったときに作業していた金型は、以前に何回か修正が入った痕跡があるもので、素性が分からない、基準がどこにあるかも分からない、といった厄介なものでした。

このような金型の修正は、現物合わせでしか出来ないため、経験値が高い職人でなければ出来ない仕事です。

 

ウォーマーでは、現在、金型の他に力を入れているものがあります。

それは、ブロー成型後のトリム加工や穴加工、INJ部品の設変加工などに使わる自動加工機です。

 

warmer01.jpg←これは、ウォーマーで製作された自動加工機です。

樹脂製品をこの加工機にセットし、2つの緑色のボタンを同時に押すと、シーケンスで制御されたエアシリンダによりそれぞれの機構が動き出します。

樹脂のクランプで押さえ、カッターで切断、少しタイミングが遅れて、ドリルによる穴加工、続いてパンチダイによるピアス加工。

見ているとからくりマシンのようで、面白いです。

 

 

warmer02.jpgこの自動加工機を設計から製造、組み立て、シーケンス設計まで社内一貫生産しているので、質の高いものを短納期で作ることができます。

ウォーマーは、この自動加工機を作れるようになったことで、「ブロー型+検査治具+自動加工機」この3点をセット受注できるようになりました。

通常、この3点は各専門メーカーにそれぞれ発注されますが、設変などが入った場合、発注メーカーはその3社にそれぞれ連絡しなければならず、大幅な手間と時間が掛かってしまいます。「変更した形状が各社で違う」なんて可能性も否めません。

ウォーマーの提案するこの一括発注では、発注メーカーはウォーマー1社への連絡だけで済むので、手間を大幅に削減することができます。さらに、3部品とも同じCADデータを使うので、コストダウンにも繋がり、発注側、受注側、双方にメリットがあります。

 

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さて、ウォーマーには自社商品がいくつかあります。

第一回目に紹介したのは、湯たんぽでしたが、その後、また新しいものが誕生しました。

 

↓こちら、エコパイポ(仮)

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このエコパイポ(仮)は、横浜テクニカルショウの心技隊のブースに参考出展されていました。

もしかしたら見られた方もいるかもしれません。

まだ製品化はされていませんが、 実用新案は取得済みです。

これから、量産の段取り、パッケージ、販売ルートの確保をしていく予定だということです。

製品化され、店頭に並ぶことを楽しみにしています。

 

もう一つ、自社商品があります。

こちらは、 1工場の製缶部門で作製されているものです。


warmer07.jpg←こちら、野球用ネット。

実はこれ、1工場の社員たちが、

「自分たちも何か自社商品を作りたい。作って売りたい。」

と言って、自ら始めたものだそうです。

ネットショップで販売しているのですが、このネットショップも社長に言われた訳でもなく、1工場の社員たちが自ら立ち上げて運営しているのだそうです。

 

 

warmer08.jpg毎日、与えられた仕事をただこなすだけではなく、このように率先して、自分たちで出来ることを探し、行動し、そして会社の売上げに貢献していく。

このような社員がいる会社は、他のどんな大きな会社よりも強いと思います。

社長、社員が一体になって会社を動かしているウォーマーは、これからどんな荒波が来ようとも絶対に乗り越えていける会社だと思います。

 

ウォーマー株式会社。

これからも応援していきたい会社です。

今後もまた機会を作って近況報告をしていきたいと思います。

 

今回ご紹介したウォーマー?の技術に興味のある方は、直接お問い合わせ頂くか、

seizo-ouen@gs-field.netへご連絡ください。

 

ウォーマー株式会社

代表 : 佐野 芳史

静岡県沼津市小諏訪44-2

055-923-5111

HP:http://warmer.co.jp/

ネットショップ(湯たんぽ):http://warmer.cart.fc2.com/

ネットショップ(野球用ネット):http://next8523.web.fc2.com/

 

昨日は立冬、暦のうえでは冬になりました。 ここからは時間がどんどん加速するのが毎年の恒です。

この週末、街にはクリスマスの飾り付けを見かけるようになり、当方は年の瀬のご挨拶と年賀状の準備を始めました。 本日も【彦】が書かせていただきます。

 

今回は前回に続き、株式会社タカオ設計事務所と、同社の主力商品の『ルズコン-30』についてご紹介します。

 

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(株)タカオ設計事務所
千葉県流山市南流山6−24−13
http://www.losecon.co.jp/

1984年(昭和59年)にモールド金型の設計事務所として創業。 現在、金型に関連する国内特許を4件、実用新案1件、共同出願特許4件、意匠登録5件、海外特許出願2件、海外意匠登録1件、共同意匠登録4件の知財・工業所有権を所有。

 

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『ルズコン30』のラインナップ
SS、S、M、L、LL、XLの6つのサイズを用意。差替え式カセット金型のような質量10kg程度のミニサイズから、大型乗用車のバンパーやインパネなど30トン前後の大サイズ金型まで幅広く対応。


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ルズコン-30による小型化
従来機構ではルーズコア全体が大きくなっていた。ルズコン-30を使用するとロッドが細くなることで総合的な省スペース設計が可能になり、金型全体の加工体積などは従来機構の6分の1程度にまで削減できる。加工時間の短縮、加工ひずみの抑制にも効果がある。

 

 

金型のアンダーカット対応を革新

 タカオ設計事務所の主力商品である『ルズコン-30』は、同社が独自アイデアにもとづいて「安全」・「簡単」・「コストダウン」をコンセプトとして設計・開発した、マルチアンダーカット対応の金型機構部品です。

 商品名は、「ルズコン」の部分が"ルーズコア・コンポーネンツセット"に、「30」の部分が"金型設計時の標準シフト角が30°であること"に因んでいます。 つまり、《30°のシフト角を通常の作動角として使用できる(!)》わけです。

 エジェクタプレートの上昇と共にスライドベースがガイドロッドに沿って動くという基本動作を行うため、

 1)コアロッドには原理的に曲げモーメントが発生せず、

 2)コアロッドが細くできるため、アンダーカット機構全体をコンパクト化でき、

 3)成型品の内側・外側のアンダーカットに極めて安全に対処でき、

 4)省スペース設計によって製品設計の自由度も拡大、

 5)上記の相乗効果で材料費、加工費、運搬費など、金型の諸コストを総合的な削減できる、

 といった特長を有しています。

 

■ ルズコン-30を用いたアンダーカット処理イメージと実物の組込み例

 概要 → http://www.losecon.co.jp/losecon/ 

 組込み例 → http://www.losecon.co.jp/losecon/applicationex/

 

 これらの特長によって、インパネやドアトリム、ピラーカバーなどの自動車の内装、グリル、バンパー、ホイルキャップなどの外装、家電分野ではエアコン室内機のフロントパネル、複写機の筐体やトナータンク、プリンタの下ケースやインクホルダなどに幅広く用いられ、ハイレベルな意匠や仕上がり精度が求められるアンダーカット対策に多くの実績を有しています。

 構造的に複数部品が複数プレートにまたがることによる角度や位置精度の誤差累積には連結部各所に設けた自動調心機能で対処もできるそうです。



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ガイドロッドの効果
 ルズコン-30使用時のイメージが左側、一般的なアンダーカット処理機構のイメージが右側。
ガイドロッド(矢印のロッド)のないコアロッドのみの機構では、エジェクタプレートの上下動がスライドの左右動に変わる際にコアロッドに曲げモーメントが生じる。(右写真の丸印の部分、曲げモーメントによってコアロッドがたわむため、金型プレートとの干渉が発生。)

 

 

 さらに、ルズコン-30を構成するコアロッドの端部に使用してコアロッド熱膨張伸長を吸収させたり、成型品の外観異常(艶ムラ)現象が生じた場合の調整にも有効な『ルズロック』や、アンダーカット処理の機構をさらに省スペース化してルーズコア機構の経済性をさらに高める『ガイドホルダ』も用意してプラスチック部品の成形とそのための金型設計の革新に取り組んでいます。

 たとえば、内側六角ネジを用いているルズロックは、

 ・最小直径の丸穴で金型プレートに取り付け可能で、

 ・組み付けのために必要悪となっているレンチ穴のスペースが不要、

 ・スライドの滑りが無いため調整も簡単、

といった利点があります。

 また、ガイドホルダは、

 ・ボルトレスのため加工や組立作業も容易、摺動部もナシ、

 ・締結部品や温調穴等の構造部との干渉が回避でき、

 ・角穴加工も単純な丸穴でOK、

などの特長によって、さらなる省スペース化が可能になるそうです。

 

■ 『ルズロック』、『ガイドホルダ』の概要と特長

 → http://www.losecon.co.jp/losecon/llgh/

 

 

使いこなしの指南も手がけるサポート体制

 30°のシフト角を通常の作動角として使用できる『ルズコン-30』ですが、突出しストロークなどに制約がある場合などにはさらに大きなシフト角での利用も可能であり、この点について、タカオ設計事務所では、

 ・従来のような勘や経験による判断ではなく、

 ・「この設計では荷重負荷はどれくらい」、「角度が○゜なら、荷重負荷は○kgfまで大丈夫。」というように、設計値にもとづいて荷重負荷を理論的に計算して安全性を算出・保証

しています。

 また、タカオ設計事務所では、ルズコン-30にまつわる技術計算や温度補償のための寸法調整の計算などを無償で実施。過剰な強度の最適化提案、構造検討や強度計算などのCAEを含む各種テクニカルサービスも行っています。

 たとえば、温度補償については、温調回路をもたない一般的なルーズコアにおいては、射出成形時には周囲のコア部に比べて50℃程度高い温度になることがわかっています。

 この温度差に伴う寸法膨張がシメシロとなって突き出し抵抗を生じ、金型のスムーズな作動が阻害されることもあるのですが、熱膨張を予測して寸法を調整したり、平行摺動部を勾配勘合にしたりするなど、より安全な動作ができるような技術サポートを提供したり、 ルズコン-30など同社製品について、仕様、技術情報、設計手順の詳細と問い合わせ票をセットにした解説書「取扱説明書・バージョン5.1」も用意するなど、全方位的にユーザへの便宜を図っています。

 

■ (株)タカオ設計事務所のエンジニアリングサービス

 → http://www.losecon.co.jp/egservice/ 

 

 なお、注文品の出荷については、国内向けは、午後3時ごろまでに届いた注文書に対しては即日発送、それ以降は翌営業日に発送。注文の翌日〜翌々日にはほとんどの地域で注文品が受け取れることになります。
 なお、海外での調達に関する相談については、タカオ設計事務所のほか、DME社の日本法人である日本ディー・エム・イー(株) (東京都江東区東陽4-10-4 、http://www.dme.co.jp/ )が窓口となっています。 海外でのデリバリーや技術サポートは、米国に本社を持つ国際的な金型部品会社であるDME Co.社も代理業務を行っているそうです。


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組立て風景
寸法精度、キズ、バリなどをチェックしながら社内にて組み立て・梱包・出荷。

 

 株式会社タカオ設計事務所のような、独自アイデアを技術革新に役立てたいと志す企業がますます活躍するとともに、そのために必要な知的財産などの権利が正しく守られる社会になることを期待せずにいられません。

 今年も残すところ7週間、はりきってまいりましょー!

 

  【彦】でございます。

 11月最初のチャレンジ企業紹介、今回は、独自開発のモールド金型部品"ルズコン30"シリーズを製造・販売する「株式会社タカオ設計事務所」をご紹介します。


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(株)タカオ設計事務所
千葉県流山市南流山6−24−13
http://www.losecon.co.jp/

 

 (株)タカオ設計事務所が製造・販売するモールド金型向けの機構部品「ルズコン-30」は

安定動作と省スペース性に優れたマルチアンダーカット対応の金型機構部品、

関連製品の「ルズロック」、「ガイドホルダー」とあわせて、金型動作の安定化、

成形の信頼性アップ、トータルでのコスト削減に大きな効果を発揮する同社の独自商品です。

 

 ご自身が金型設計者でもある創業者で代表取締役の鷹尾 汎さんが

日々の仕事の中でアンダーカット処理の課題を解決する機構を研究・考案、

1994年の発売開始以来、のべ1万セットを超える出荷数があります。

 自動車向けなどを手がけるプラスチック部品メーカの中には、

使用する金型にルズコンの活用をルールとして義務化している会社もあるそうです。

 

 それほどの問題解決の効果を発揮する動作原理については

すでに特許が成立しているものの、それでもその効果の高さゆえ、

"模造品が後を絶たない"という悔しい悩みもあるそうです。

 

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『ルズコン30』のラインナップ

 

タカオ設計事務所のお仕事とルズコン30の詳しい内容について、

次回、詳しくみていきたいと思います。

 

こんにちは。yamagです。

今週は、和氣製作所の後半をお送りいたします。

前編は、こちらです→ http://www.sugoizo-blog.com/2009/09/-yamag.html


 

さて、それでは、誠度さんの紹介をしていきましょう。

 

誠度さんは、牧野フライス製作所の金型加工技術センターで働いていた経験があります。

話しを聞くと、ちょうど高速加工機が出始めのころでした。

当時、高速加工というと、技術情報は少なく、対応している工具やCAMも少なく、すべてが手探りの状態でした。

推奨される加工条件は、fpコンセプト。

工作機メーカーはじめ、工具メーカー、CAMメーカー、金型メーカー、、、 どこも最適な切削条件を見極めるのに懸命でした。

ある会社で「高速加工で金型を削った」などと話しが広まれば、自動車メーカーや工具メーカー、商社、競合メーカーまでもがその金型を見に行くほど、今でこそ当たり前の高速加工は、一目置かれるほどの高度な技術でした。

誠度さんは、そのような時代の中、工作機メーカーで高速加工の技術、ノウハウを身につけたのでした。

 

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「加工の段差は絶対に作らない!」

「高速・高品位・高精度」

これは、誠度さんの一番のこだわりです。

機械加工は、加工パターンや使用する工具が換わると、前工程の加工面と一致せず加工段差が生じることがあります。

不思議と工具が小径になればなるほど、その段差は顕著に現れます。

要因はいろいろあると思いますが、段取り誤差、機械特性、空調設備など、現場環境によるものが一番大きいと言われています。

この加工段差を如何に小さく出来るかが、加工担当者の腕の見せ所になるわけです。

 

この加工の段差は、大きければ大きいほど後工程(磨き作業)においての負担が大きくなり、それを消そうとすればするほど、当然ですが加工面品位の劣化に繋がります。

誠度さんは、この加工段差をなくすため、連日連夜、機械に張り付いてテストカットを繰り返し、その要因をひとつひとつ解決していきました。

実際に加工されたものを拝見させていただきましたが、確かに加工段差は見当たりません。

間違いなく工具交換しているのに、まったくその形跡を見つけることができませんでした。

これが、誠度さんの職人技。

真似のできない技術なのです。

 

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この技術を要求されたものが、上の画像、燃料電池セパレータの金型加工です。

工具段差を最小限に抑え、さらにZの寸法精度を±0.0015で加工するといったものです。

誠度さんは、言います。

「当初は「この精度を切削加工で可能なのか・・・」と不安もありましたが、それ以上に可能にしたいという気持ちが上回っていました。気持ちで勝ちました(笑)」。

少しでも食い込んでしまうと、最初から加工し直しになってしまいますから、精神的にも相当大変だったと思います。

でも、この経験は誠度さんを成長させてくれたようです。

さらに誠度さんは、続けます。

「この燃料電池の仕事を経験させていただいたおかげで、私自身がマシニング加工の永遠のテーマだと思っている「工具段差を無くすための追求」「Z寸法の高精度加工」などの技術が少しは身についたのではないかと思います。まだまだ未熟ですが・・・」

誠度さんの技術レベルは、このようにして、日々向上しているのです。

 

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僕は、誠度さんの高い技術力を数行で紹介してしまいましたが、これは本当にすごい技術なのです。

機械加工は、工作機械を導入し、NCを勉強すれば、誰でも加工でできるようになります。

工具の種類は豊富ですし、今のCADCAMは、オペレーションが簡単なので3D加工もそれほど難しくないでしょう。

しかし、それはあくまでも「形」を削り出すだけの話。

「製品」を作ることとは違います。

 

「外注費を抑えるために自社で工作機を導入したが、結局、上手く削れずに外注している」という話をよく聞きます。

内製比率を上げて、利益を上げていくのが企業の目標ですから、それは決して悪いことではありません。むしろ、当然のことでしょう。

僕が言いたいのは、設備しただけでは、”本物のものづくり”はできないということです。

その外注先には、日々の加工経験で培った、目に見えない高度なノウハウがたくさんあり、それがあるからこそ高精度な高品質な「製品」を作ることがができるのです。

発注するメーカーは、そこにプライスレスの価値を感じてほしいと思うのです。

 

話しは変わりますが、

この金型(入れ子)、なんだか分かりますか?

 

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ヒントは側面の3つ穴形状。

おそらく、だれでも一度は使ったことがあると思います。


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実はこれ、あの自動販売機専用アイス、セブンティーンのアイススティックなんです。

分かりました?

 

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まさか、こんなところでセブンティーンアイスに遭遇するとは思ってもみませんでした。

セブンティーンアイスは、近所の家電量販店の入り口あるので、行くとついつい買ってしまいます。

ちなみに僕と息子はいつもチョコミント。女衆は、「限定」ものに弱いようです(笑

先日も買いましたが、食べた後、まじまじとスティックを見て入子線を確認してしまいましたよ。

子供らにも見せて、その場でプチ金型教育(笑

みなさんもセブンティーンアイスを買ったら、和氣製作所さんを思い出して入子線を探してみてください。

 

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さ、話しを戻します。

和氣製作所では、昨年、厚木工場にCNC旋盤を導入しました。

汎用旋盤だけでは、できない仕事が増えてきたからです。

CNC旋盤は、段取り換えをしなくてもワンチャックで複雑な加工ができます。

今までは、汎用旋盤加工の後に専用治具を作ってフライス加工をしていたため、材料費や工数が多く掛かっていましたが、この機械を導入したことで工数短縮、コスト削減を図ることができました。

あとは、このマシンに誠度さんの技術のスパイスが加わり、、、

どのような加工物が出来上がるか、もうおわかりですね。

 

この厚木工場には、CNC旋盤のほかに大型のワイヤー放電加工機があります。

マキノのU86と言って、最大ワークはなんと

1220×910×500 まで対応可能だそうです。

この近辺ではなかなか設備しているところがないため、加工依頼は多いのだそうです。

もし大物のワイヤー加工の案件を持っている方がいましたら、是非、和氣製作所に相談してみてください。

 

今回の取材は、本社工場のみでしたが、厚木工場には、誠度さんのお兄さんがいらっしゃるということなので、また何かの機会にお邪魔させてもらおうかと思っています。

 

和氣さん、お忙しいところ貴重なお時間を頂きまして、ありがとうございました。

これからもその高い技術力と熱いものづくり魂で日本の製造業を盛り上げてください。

これからも応援しています!

 

今回、紹介した和氣製作所の技術に興味にある方は、直接、お問い合わせ頂くか、

seizo-ouen@gs-field.netへご連絡ください。

 

有限会社和氣製作所
[本社工場]
〒146-0082 東京都大田区池上3-4-11
TEL 03-3755-4521
FAX 03-3755-4637
[厚木工場]
〒243-0303 神奈川県愛甲郡愛川町中津835-2
TEL 046-284-2130
FAX 046-284-2131
http://www.waki-ss.com

こんにちは。yamagです。

 

おかげさまで当ブログは、今月9/3にめでたく一周年を迎えることができました。

ここまでやって来られたのもすべて皆様のご協力、ご支援があってのことです。

心より感謝しております。ありがとうございます。

景気の行方はまだまだ見えませんが、これからも日本の製造業が盛り上がって行ける様、

がんばって活動を続けて行きますので、皆様、どうぞ引き続き、応援よろしくお願い致します。

 

では、早速、今週の記事です。

 

 今週は、東京都大田区にある?和氣製作所を紹介します。

 

1970年創業。

従業員は5名。

射出成形、ブロー成形の金型をはじめ、各種部品加工や治工具などを製作されています。

 

設備は、

汎用フライス 1台

NCフライス 1台

マキノ V33  2台 

ワイヤー加工機 2台

大型ワイヤー加工機 1台

森精機 複合CNC旋盤 1台

など、です。(詳しくは、HPを参照ください)

 

東京蒲田駅から池上線で二駅、池上という駅で降り、徒歩10分程度のところに工場はあります。

辺りは住宅街で、最初、住所を間違えたのかと思いました。

住所プレートを頼りに歩いていくと、いかにも大田区の町工場らしい雰囲気の玄関が見えてきました。

出迎えてくれたのは、今回、取材の段取りを取ってくれた和氣誠度さん。

若くてイケメンな和氣製作所社長の息子さんです。

 

僕は工場に入ると必ず見てしまう所があります。

それは、床です。

切り子が靴の裏に刺さるのが嫌だからではないですよ。

工場の床の状況を見れば、その会社の仕事に対する姿勢が感じられるからです。

さて、和氣製作所さんの床は。。。

さすがです!

隅々まで掃除されていてとてもきれいでした。


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和氣製作所は、ここ大田区の本社工場と、もうひとつ厚木にも工場があります。

厚木工場の方が新しく(3年前)、ここ本社工場は、25年前に開いたそうです。

それぞれの工場の棲み分けは、厚木工場がワイヤーカットと複合旋盤加工。

本社工場は、金型製作となっています。

 

和氣製作所03

 

さて、それでは、和氣社長について書いていきましょう。

 

和氣社長は、独立前、大手メーカーの製造工場でフライス加工を担当していました。

あるとき、長年勤めていたその工場が遠方へ移転することとなり、工場と共に引越しをするか、退職するか、という人生の岐路に立たされました。

そして、その話しを聞いた近所のある町工場の社長に「うちへ来ないか」と誘われます。

和氣社長は、独立したい気持ちもあったので、5年間という約束でその会社に入社しました。

それから、5年後の1970年。

当時250万のフライス加工機1台を月賦で購入し、部品加工業をスタートさせました。

 

和氣社長は、やはり職人です。

汎用フライスで100分の1の単位を切削音とハンドルの重さ、切り子の色などを見て、容易に加工してしまいます。

「俺は、アナログの人だから」と笑って言いますが、そのアナログ技術が素晴らしいのです。

デジタル技術の世の中になっても、必要不可欠な技術。簡単に真似のできないとても価値のある技術なのです。

 

和氣製作所03

 

和氣社長は、時代の流れを敏感に感じ、これからはNCの時代だと、早いうちからNC加工機を導入しました。

しかし、アナログな和氣社長は、デジタルなものを使いこなせる自信がありません。

そこで、若き頭脳、誠度さんの登場です。

「俺はできないから、せがれに任せる」とNC関連はすべて誠度さんに任せました。

これは正しい判断でした。

「俺はデジタルはわかんねぇ。この腕があれば食っていけるさ。」と高慢になっていたら、今の和氣製作所はなかったかもしれません。

時代の流れは早く、技術も環境も日々進化していきます。

この時代の流れを敏感に感じ、如何に早く乗ることができるか。

そして、それを確実に取り込めるかどうか。

会社の存続は、経営者の手腕に掛かっています。

 

後編へとつづく。。。

 

有限会社和氣製作所
[本社工場]
〒146-0082 東京都大田区池上3-4-11
TEL 03-3755-4521
FAX 03-3755-4637
[厚木工場]
〒243-0303 神奈川県愛甲郡愛川町中津835-2
TEL 046-284-2130
FAX 046-284-2131
http://www.waki-ss.com


 

こんにちは。yamagです。

間が空いてしまいましたが、かいわさんの紹介後半に行きたいと思います。

が、その前に報告です。

前半では、触れませんでしたが、実は、かいわさん、経済産業省が主催する「ものづくり日本大賞」に

「限界を超えた超薄肉、超微細プラスチック製品を金型製作・成形加工で可能にする技術を確立」

という案件でエントリーされていまして、先月7月10日の結果発表で、見事、経済産業大臣賞を受賞されました!

http://www.meti.go.jp/press/20090710010/20090710010.html

かいわさん、おめでとうございます!

やはり、あの超薄肉、微細形状が成形できる技術は、とても真似できないすごい技術だと思います。

これからもこの高度な技術で素晴らしい製品・金型を作り続けてください。

今後の更なるご活躍を期待しております!

 

では早速、後半を書いていきます。

 

かいわさんのこのすごい技術は、その特徴のある教育方法によって生み出される加工技術だけでありません。

微細な形状や薄肉形状を成形するための型構想にも特徴があります。

試作品や開発製品が多いので、残念ながら公開することはできませんが、成形時に金型本体に掛かる負荷が少ない為、型持ちが良い、ミスショットが無い、ということで有名なのだそうです。

成形の品質は、金型の構造や射出条件で変わります。

一般的にショートやヒケが出ないようにするには、金型に入れ子やガス逃げなどを設け、トライ成形をしながら最適な射出条件を見極めていきます。

しかし、かいわさんの場合、射出条件による調整はまったくしません。

射出条件は一定のまま、安定した品質で成形できるまで金型のみを調整していきます。

完成度の高い金型を作って、いつ、だれが、どんな時に成形をしても、同じ品質で製品が取れるようにしているのです。

金型作製の工数は掛かるかもしれませんが、品質の安定した製品を長い期間供給することができるということは、お金では買えないお客さんからの信頼を得ることができるのです。

 

かいわ01

 

かいわさんのすごい技術には、もう一つ大きな特徴があります。

それは、精密加工をする工作機はすべて地下に設置されているということです。

地下ですよ、地下!

なんか秘密基地っぽくていいですよね(笑

地下室は、温度管理がしっかりとされ、温度、湿度は常に一定となっています。

何故、地下に入れたのか聞いてみますと、温度管理が容易ということ。

それと外部からの振動を避けるためなのだそうです。

外部からの振動。

自動車(主にトラック)の走行による振動です。

その振動の大きさは、地上と地下ではかなり違うのだそうです。

μ単位の加工ですから、やはり少しの振動でもNGなのですね。

地下室に入れることによるメリットがもうひとつあるのだそうです。

それは、最適な加工条件を見極めやすいということだそうです。

温度や湿度、振動などの不安定な要素が一定になる、つまり、その要素は考慮する必要がないので、本来の切削条件だけに集中できるということです。

確かに、考察する項目が絞られるので、結果が出し易くなりますよね。

こうやってみると、かいわさんの地下室は、やっぱり秘密基地になっているのですね。

 

かいわ02

 

かいわさんは、会社の規模より技術で勝負していきたいと言われていました。

高い誇れる技術をどれだけ持っているか。

広報もたしかに大事だが、それだけではないと言います。

高い技術を持っていると口コミで評判は伝わって行くものです。

かいわさんは、そういう技術力の高い会社を目指しています。

 

社長様は、各地で技術セミナーもやられています。

僕も取材に伺ったときに、いろいろなことを教えてくださいました。

社長様の技術の知識はとにかくすごいです。

話し方も上手でとても分かりやすかったです。

社長様は、「基本原理を考えてごらん」とよく言います。

成形バランスやガス抜きなど、基本原理をしっかりと考えれば、解決策は必ず見つかると言います。

型持ちが良く、ミスショットがない、という基本原理に基づいて作られたかいわさんの金型は、そのことを証明していると思います。

 

かいわ04

 

かいわさんは、世界一を作ってもあまり意味がない、と言います。

高品質なモノを作って初めて評価される。

ものづくりは、世界一よりも高品質。

お客様から出てきた図面に対してどれだけ品質よく作れるか。

素人が凄いという技術ではなく、玄人にすごいと言われる技術。

それを常に意識しているのだそうです。

 

かいわ05

 

さて、前半で紹介したこの微細クワガタ。

今後のこのクワガタ技術をどう発展させるか、いろいろと考えているのだそうです。

また、それをあ〜しようか、こ〜しようかと、考えているだけでワクワクしてくるのだそうです。

本当に、社長様はこのような技術開発が好きなのですね。

日本の誇れる技術屋さんです!

また、かいわさんの新しい技術が見られ日を楽しみにしています!

 

最後に、社長様のもうひとつの事業を紹介します。

HPにもリンクが張られていますが、ルックアップというメンズファッションコーディネーター買物代行サービスを経営されています。

こちらの経営は、社長様の単なる趣味というわけではありません。

何故、金型業以外の経営をやるかというと、違う業種分野からも本業務の経営のヒントをもらえるからなのだそうです。

金型だけを集中していると他のよその情報はあまり入ってきません。

まったく別の分野の情報が、問題の解決のヒントになることもあるそうなのです。

いろいろな経験されているかいわさん。

今後、金型事業も代行サービス事業も、益々発展されていかれることと思います。

これからも応援しています!

 

今回、紹介しましたかいわさんの技術にご興味のある方、微細クワガタを生で見たいという方、会社見学は大歓迎ということですので、是非、お気軽にご連絡頂ければと思います。

お問い合わせは、かいわさんへ直接して頂くか、もしくは、seizo-ouen@gs-field.netへご連絡ください。

 

株式会社かいわ
〒409-0012
山梨県上野原市上野原3796
TEL 0554-63-5551
FAX 0554-62-3866
代表取締役 山添重幸
http://www.kaiwa-net.co.jp/


 8月になりました。暑中お見舞い申し上げます。

 今回は型締力1,000トン以上の大サイズのダイカスト金型・チクソモールド金型を設計・製造する(株)河村製作所の後半として、IT活用など同社での仕事の工夫とチャレンジをさらにご紹介したいと思います。

 

 

河村製作所03

株式会社河村製作所
〒319-1221 茨城県日立市大みか町2-2-12
TEL : 0294-52-1991(代表)
FAX : 0294-53-4824
URL : http://www.kawamura-ss.com/
設立: 1940 年(昭和15 年)10 月
事業内容:自動車電装部品の製造・ダイカスト
金型・冷間鍛造金型の設計製造、冷間鍛造機械・
油圧プレス機械の設計製造
従業員:105 名


Linux を活用して廉価にサーバー環境を構築、早い時期から社内外をオンライン化

(株)河村製作所ではCAD/CAMの導入とLAN 環境の整備、ネットワークを活用した社外とのデータの受け渡しにも早い時期から取り組み、納期の短縮、顧客満足の向上を図ってきました。

たとえば、Eメールを使ったCADデータの受け渡しは1998年ごろに着手、スムーズな受け渡しのためのデータ形式の工夫や、分割してもEメールでは対応できないためCD-RやMOに書き込んで宅配便で発送せざるを得ない100メガバイトを超えるようなCADデータでも顧客企業や協力工場との間で素早く受け渡しできるよう、データの送受信用のFTPサーバを社内に設置するなど、体制を整えてきました。

その後も、定額料金で高速なブロードバンド環境の普及に伴うISDN接続からADSLへの移行、近隣の自社工場や東京都内にある協力会社との間でVPNを使ってセキュリティを確保したオンライン環境の構築、IP電話の導入など、今日でこそ一般的になった通信環境も2003年ごろには確立させていました。

また、"一人の設計者が一つの仕事"ではなく、"複数の設計者で複数の仕事"に取り組めるよう、インターネットと社内のネットワーク環境には力を注いできました。

たとえば、設計室のサーバーは、CAD/CAM用のPCの入れ替えに伴って使わなくなったPCを流用してWebで情報収集しながら自社でLinux をセットアップ、このサーバーに12 台のCAD/CAM 端末を接続し、アウトソーシング費用の節約、ノウハウの社内への蓄積、インフラの拡張やトラブル発生時に迅速な対応などのメリットを得たそうです。 

なお、サーバーの運用にあたっては、個々のCAD/CAM 端末にはファイルを保存しないルールを定め、サーバーに置いたファイルを直接編集することで、以前のような"2人が同じファイルを編集していた"というトラブルもなくしました。

このような同社の進取の精神は、フリーウェア、シェアウェアのフル活用など、IT費用の最小化・効率の最大化という風土として今日も活きています。

 

マクロ機能やカスタマイズを自社でアレンジ

(株)河村製作所の主力のCAD/CAMは、モデリング作業がSpace-E、CAM作業がTOOLS。CAD/CAMがWindows-PC環境に移行して間もないころから、いずれのシステムにもデュアルディスプレイ(=2画面表示)に対応したグラフィックボードを追加し、メインの画面でCAD/CAMの作業をしながら、もう一方の画面で仕様書の表示やExcelを使ったドキュメント作成などを並行してできるようにしたり、マウス+キーボードに加えてショートカットキーをボタンに割り付けられる左手入力デバイス(写真2)を追加し、画面に表示されたCADのメニューを触ることなく90%以上の操作を左手で行えるようにしたりしました。

これらによって、以前の「1 画面+マウス+キーボード」に比べ、モデリング作業の生産性はほぼ2 倍に高まり、たとえば、悩まずに進められるような形状処理などは、従来1 日→半日で完了できる環境を確立(!)できたそうです。

一方、CAM 作業に注目すると、ツールパスの作成の際にCAM システムからCSV ファイルとして出力される加工情報をもとに、表計算ソフト(Excel)を使って加工指示書を自動作成するマクロを自社で作成し、加工指示書を手書きする手間と、手書きに伴う間違いのリスクをなくすとともに、製図作業には汎用性やカスタマイズ性に優れた低価格な2次元CAD「BELL DESIGN」を使用して穴図形を作成すると穴の加工リストも自動作成するマクロなど、独自機能を自社で作り込み、作業の能率アップを図ったそうです。

いずれも2002年ごろから取り組んだもので、加工指示書や本格的な穴加工CAMが一般的になるまえにこれらを先駆けたことが同社の大きな財産になったそうです。


河村製作所08

写真1 他社に先駆けたデュアルディスプレイ環境

 

なお、「デュアルディスプレイ」について、今日ではこのような便利アイテムが発売されています。
USBポートにつなぐだけで、パソコンを2画面に拡張できる「USB対応ディスプレイ増設アダプタ『GX-DVI/U2』」


河村製作所09(c)BUFFALO

 (株)バッファロー製、実売価格7千円くらい。
 → http://buffalo.jp/products/catalog/multimedia/gx-dvi_u2/
 【ご参考】 カカクコム『GX-DVI/U2』
 → http://kakaku.com/item/05504016100/


河村製作所10

写真2 左手入力デバイス
マウスを動かすことなく目的のコマンドを実行でき、
左手入力ツールとして一般的な"スペースボール"よりも作業がはかどる。


河村製作所11

写真3 CAD機能を自社でカスタマイズ
穴図形を作成すると穴の加工リストも自動作成。


河村製作所12 
写真4 Excel のマクロ機能で自動作成する加工指示書の例

 

なお、同社で稼働する牧野フライスのV55、GF8、GF6、新日本工機の門形機など合わせて計7台のマシニングセンタと3台の電極加工機へのNCデータ供給のために工場にもWindows2000 を使ったデータサーバを2 台用意、(光ケーブルではなく)ごくごく一般的な10BASE-Tペアケーブルを使用して設計室のLinuxサーバーと接続しました。社内メンバーで作業を行い、いろいろな意味での過剰品質を避けて無用な出費を防いだそうです。もちろん、10年以上使っている中ではノイズなどの影響などによる不具合は一度も起きていません。

 "現場で工夫するITと高速・直彫り加工"の実践により同社は、1999年の時点で1,000トン級・5 方抜きのダイカスト金型を納期1 カ月で製作するなど、短納期への対応できる体制を早い時期から整えました。

 このような実績をもとに、地元の商工会議所などが幹事を務める地域・業界密着型のネットワークづくりに協力する基本方針と、高い志を持った企業同士が手を繋ぐことで全体が良い方向に進む企業連携にかねてから参加したい意向をもとに、金型技術の共同研究や受発注の一層のレベルアップを図るべく、「21世紀金型会」(http://www.kanagata.com、幹事会社:山城精機製作所)のメンバーとなったこともあるそうです。

なお、これまでに紹介してきた金型部門の一方、部品部門の技術志向も明確です。たとえば、パワーステアリング向けの平面整流子の開発・製造に関して、1998年(平成10年)に第14回素形材産業技術賞、2004年(平成16年)には中小企業振興公社の工業技術開発奨励賞を受賞しているほか、2005年(平成17年)には新エネルギー産業技術総合開発機構(=NEDO、本部:川崎市幸区、http://www.nedo.go.jp/)による「エネルギー使用合理化事業」の認定も受けています。

絶え間ない工夫とチャレンジを積み重ねる(株)河村製作所。ホームページ(http://www.kawamura-ss.com/)に掲げられた、「私たちは、物作りの原点を忘れません。」のメッセージが力強く心に響きます。

みなさん、ますます前向きに、はりきってまいりましょー!

 

 こんにちは、彦であります。

 リニューアルした「すごいぞ!」ブログへの投稿初め、今回は アルミ合金・マグネシウム合金の型締力1,000 トン以上の大サイズのダイカスト金型、チクソモールド金型を設計・製造する 株式会社河村製作所 をご紹介いたします。

 

 1940年(昭和15年)に電装部品のメーカとして創業し、1954年(昭和29年)に樹脂成形金型を、その6 年後からダイカスト金型の製作を開始し、近年は 「高精度ダイカスト金型」、「独自技術による冷間鍛造部品」、「各種油圧プレス装置の設計・製造」を経営の三本柱としています。

 

 金型製造部では、フロッピーディスクに始まってハードディスクへと続く各種ドライブ装置やカメラボディなどの精密部品用から、自動車用の電装部品やオートバイ用のクランクケースやトランスミッションケースなどの型締力800トン~1200トン級にいたるまで、大小さまざまなダイカスト金型を製作しています。

 

 また、1998年からは、アルミ合金用に加えて、ノートパソコンやカメラボディ向けのマグネシウム合金用の金型も手がけており、同社が製造する金型の1 割以上がマグネシウム合金用となっているそうです。

 

河村製作所03 

株式会社河村製作所

〒319-1221 茨城県日立市大みか町2-2-12

TEL : 0294-52-1991(代表)

FAX : 0294-53-4824

URL : http://www.kawamura-ss.com/

設立: 1940 年(昭和15 年)10 月

事業内容:自動車電装部品の製造・ダイカスト

金型・冷間鍛造金型の設計製造、冷間鍛造機械・

油圧プレス機械の設計製造

従業員:105 名

 

一般に,ダイカスト成形は,樹脂の射出成形と比べて型締力,湯温,射出速度などが高く,熱と衝撃の両面で金型が受けるストレスが格段に大きい特徴があります。

 

 湯(=溶かした金属)の温度が低く射出条件が緩やかな亜鉛ダイカストであれば50万ショット程度の金型寿命も可能ですが,アルミダイカストでは通常7~8万ショット,形状や肉厚などの条件が整って射出速度を緩くできる場合でも20万ショットが限界だそうです。

 

 なお,金型設計においては,成形品への寸法精度の要求は樹脂成形品よりも緩い傾向にある一方、射出速度が速いため金型内の空気の"逃がし"や,金型表面に生じる微細なひび割れ(ヒートクラック)への配慮も重要です。


河村製作所04 

【写真1】1000トン級のアルミダイカスト製品の例

 

直彫りと放電加工を最適に使い分け、工具の突き出しを1mm 単位で最適化

 

 過酷な射出成形に耐えるため、ダイカスト金型の材質は、アルミ合金用・マグネシウム合金用ともSKD61 を用いることが多く、焼入れ処理の後ではHRC50 程度、金型仕様によってはHRC55~56の硬さに高めることもあります。

 

 このような材質を短時間で加工するために同社では直彫り加工だけでなく放電加工も適宜採り入れて最適な設備稼働を追究しています。

 

 また、切削加工においては、工具は、荒取りには丸駒チップ、仕上げにはソリッドミルを選択しています。

 

 焼きばめ式のテーパホルダなども積極的に取り入れて微小形状の直彫りにも取り組んできました。

たとえば、工具径と突き出し長さの関係にこだわり、CAMシステムが用意しているシミュレーションや干渉チェックの機能をフル活用して、その金型の加工に最低限必要な突き出し長さを1mm単位で検討したうえで、テーパホルダの干渉チェックを行いながらツールパスを演算します。

 また、仕上げ切削用のツールパスは、牧野フライス製作所が提唱する"fpコンセプト"の考え方をベースに、切削と手仕上げの合計時間が最短になるように自社の加工に合わせて送り速さとピッチを設定しているそうです。

 

 このような『躾』(=習慣)は2002年ごろにはすでに徹底され、納期の管理に大いに役立ったそうです。

 さらに、直彫り・電極レス化に取り組み始めた1995年ごろを基準にすると、そこからの10年間で使用する電極の数は、高速加工による直彫りによって約3 割減少、そのあと登場したテーパホルダを取り入れることでさらに約3割削減し、もっとも多く電極を使っていたころに比べると電極数は半分以下にまで減ったそうです。

 硬い材質への文字の彫刻などもφ0.4〜φ1のエンドミルを使って切削加工で対応しています。

 

ソリッドミルは再研磨・再コート、磨き工程ではショットブラストも活用

 

 焼き入れ処理後に行う仕上げ加工は,硬さの点からチップ工具では対応できないため、ソリッドミルを使用しなくてはなりません。

 

 同社では,新規に購入したエンドミルの工具径をすべて実測して記録しています。この統計から、実測結果が規格値にもっとも近く、かつバラツキの少ない日進工具製のエンドミルを好んで使用しているそうです。

 

 また、再研磨したエンドミルも積極的に使用しています。数年前から(株)ジーテックが行っている宅配便を使った再研磨・再コートのサービスを利用しており、それ以前は1 カ月に90万円程度かかっていた工具代を60万円程度に抑えることができたそうです。


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【写真2】再研磨・再コートしたソリッドエンドミル

 

 直彫り化を推進する一方、硬さや形状の問題から、放電加工を選択する場面も多くあります。

 同社では、電極加工機として3 台のSNC64(牧野フライス製)と、EDNC64(同)など5 台のNC 放電加工機が稼働しています。

なお、各加工機のNC装置には、汎用の加工に使用できるNCカスタムマクロが登録してあり、穴あけやポケット加工の際にはプログラムを呼び出して必要な寸法をパラメータに入力することで、手早く切削をスタートできます。

 

 これらのマクロ群は「マクロプログラム取扱説明書」としてクリアファイルにもまとめ、各加工担当者に配布し、加工の標準化と短時間化、ポカミスの予防に役立てています。


河村製作所07 

【写真3】加工担当者用の「マクロプログラム取扱説明書」

 

 河村製作所06

【写真4】 加工後の金型部品。

 

加工後の磨き工程では,ガラスビーズによるショットブラストを活用。

 

 ガラスビーズによるショットブラストを活用すると、金型表面をピカピカに磨きすぎるとかえって離型性が悪くなる傾向を改善する効果があります。 ショットブラストを前提に手仕上げで磨きすぎないことで,仕上げの担当者が4人から3人に減らせる効果もあったそうです。

 

 後半では、同社のIT活用など仕事の工夫についてさらにご紹介したいと思います。

 

こんにちは。yamagです。

さて、いよいよ今週の水曜日7/8、横浜関内にて「応援ブログ」の発足式が行われます。

平日にも拘らず、たくさんの参加申し込みを頂きまして、誠にありがとうございます。

当日は、開場5:30、開宴6:00となっております。参加される方は気をつけてお越しください。

皆さまとお会いできることを楽しみにしております。

尚、当日のパーティーの模様は、後日、画像をたくさん載せて報告しようと思っていますので、今回、都合がつかなかった方や遠方の方は、そちらの方を楽しみにしていてください。

よろしくお願い致します。


では、早速、今週の記事を久しぶりにyamagが担当致します。




今週は、山梨県上野原にあります『株式会社かいわ』さんを紹介します。


まずはこの画像をみてください。
このクワガタ、射出成型品なのですが、どのくらいの大きさだと思いますか。


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な、な、なんと、これ全長2.6ミリ なんです。
このクワガタの画像は、かいわさんから送られてきたものなのですが、驚くのはその大きさだけではありません。
実はこの金型、入社2年半年の女性社員によって作製されたものなのだそうです。
まだ経験の浅い社員がこれだけも物を作り出してしまうというかいわさん。
さて、その教育方法とはどのようなものなのでしょうか。



1966年創業。
現在従業員は、15名。
業務は、微細精密金型作製及び射出成形です。
超微細加工に拘り、家電、医療を中心とした細密製品を作られています。


場所は、山梨と神奈川のほぼ県境。
ここ富士市からですと、東名高速御殿場ICで降りて、東富士五湖有料道路を経由、中央道に乗り約2時間弱で着きます。


主な設備です。
・三次元測定器 ミツトヨ
・投影機 ニコン
・マシニング 東芝F-Mach443
・NC-EDM マキノKE-55
・NCワイヤー マキノU32-K
・射出成形機 ファナックs-200j50B
他、多数あり。
詳しくはHPを参照ください。


 

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かいわさんの社員は、皆、若いです。
金型屋というと、大概、勤続うん十年というベテラン、職人さんがいると思いますが、ここかいわさんには、そういう職人という人は存在しません。
社長さん曰く、
「職人(プロ)というのはどうしても自分に対して限界を作ってしまう。経験の浅い者は、限界を知らないからどこまでもがむしゃらに仕事をこなす。」
と、敢えて職人のいない職場づくりをしているのだそうです。
更に社長さんは言います。
「未経験者は限界を知らないからぐんぐん伸びるし、固定観念がないから突拍子もないアイデアがどんどん出てくる。それが問題解決の近道になったり、新しい技術になったりする。」
確かに、仕事を始める前に「これは無理だろう」と線を引いてしまうことはありますよね。
経験値が高ければ高いほどそういうことは多くあると思います。


それじゃ、経験者や職人はダメか。というと、そういうことではありません。
豊富な経験値は物事を的確に判断するためには必要ですし、今のかいわさんの若い社員たちも経験値を積まれてプロになっていくわけですから、決して経験値の高い人や職人が良くない、ということを言いたいのではありません。
「自分の限界を作らすにがむしゃらに出来るかどうか」
「固定観念を捨て、いろいろな発想が出来るかどうか」
ということを社長さんは伝えたいのです。


 

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さて、気になるかいわさんの教育方法について書いて行きましょう。

社員教育というと、誰か経験値の高い人を教育係として半年なり1年なりつけて教育をしていくというのが一般的だと思いますが、かいわさんの教育方法はそのようなやり方ではありません。


まず、本人が使う加工設備の取扱説明書を端から端まで何回も読ませることから始まります。
これは、相当大変な作業だと思います。
本当に「この機械を覚えたい」とか「機械が好き」という熱意がないと、この分厚い取扱説明書は読破できないでしょう。
いわば、この試練を乗り越えられない人は、「その機械を限界まで使いこなすことができない」「使いこなすだけの熱意がない」と判断されるということです。
厳しいようですが、機械を安全に限界まで使いこなすためには、必要な試練だということです。


取扱説明書の読破が終わると、いよいよ機械での実作業です。
もちろん、すぐに実務というわけにはいかないので、実習という形で自分の好きなように機械を使わせるのですが、この実習期間がなんと半年もあるのです。

もちろん、事故や怪我の恐れがある機械は使用前に説明し教えます。


社長さんは、
「半年くらいその加工設備で遊ばせる(自分の好きなように使わせる)と機械の限界値、特性を体が覚える。安全に限界値を超えて使いこなすためには必要な期間だ。」と言います。
え、えっ!機械の限界値を超えて使いこなす?!
そう、機械の特性を極めるとその機械の限界値を超えた性能を引き出すことができるのだそうです。
かいわさんのこれら超精密な製品は、このような教育を受けた機械の骨の髄まで理解しつくしている社員の方々によって作られているのです。


つづく。

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株式会社かいわ
〒409-0112
山梨県上野原市上野原3796
TEL 0554-63-5551
FAX 0554-62-3866
代表取締役 山添重幸
http://www.kaiwa-net.co.jp

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